起き抜けに歯磨きをしている時、鏡に空いた左手を押し付けて、意味もなく指を反らしてみた。
中指の付け根あたりに余った皮膚が細かい格子状の模様を表面に描く。
そして、一文字に伸びた皺が手首へ波のように寄せていくのが分かった。
鏡を見れば、隠しきれない魔女のような自分のおとがいが写っているわけだが、
そんなことをしなくても、分かるわけだ。
時間は均等に身体に降り積もっていくのだから。
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