■さて…
根気強く丁寧な作業が求められる。集中力を切らし、力を入れすぎてしまうと、その中身の完全性は失われてしまうだろう。
まず、衝撃を与えることが必要だ。強すぎても弱すぎてもいけない。
こうすることで小さな亀裂が生まれる。
そして、この亀裂に爪を引っ掛けて一枚一枚とめくっていく。
焦ってはいけない。
この作業が終わった時、その完成度が僕の求めている感覚に関わってくるからだ。
しかし、時間がかかればかかるほど、じれったさは増していく。
だが、ここで集中力を切らしては一巻の終わりだ。
そう自分に言い聞かせてついに作業を終わらせた。
出来上がったそれは美しい楕円型をしていた。
そして、その光沢から表面に傷一つないことがわかる。
僕は完成度の高いそれをみて満足感に浸る。後に控える行為をためらってしまうほどだった。
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