2010-11-15

龍馬伝 第46回「土佐の大勝負」

NHK大河ドラマ龍馬伝」もいよいよ佳境。

龍馬土佐の大殿様、山内容堂に直訴し、大政奉還を促す建白書を書いてもらうことを願い出る。

龍馬が容堂の説得を続ける中、容堂は龍馬に問う。

幕府武士もなくしてしまうつもりか?」

幕府武士がなくなった後、何が残るのだ?」

龍馬は答える。

「異国と堂々と渡り合える日本人が残るがです。」

さて、閉塞感に満ちた平成日本

黒船の脅威に怯える幕末とこの現在を重ね合わせている人も多いのではないだろうか?

維新志士たちがやっとの思いで作り上げた新しい日本

しかし、現在日本からは当時の志士が夢見たような輝きは失われている。

もしも今、龍馬のような人物が日本にいたとしたら日本をどう変えていくのだろう?

毎週の龍馬伝を楽しみにしながら、こんなことを漠然と考えていた。

その答えが今回の龍馬伝で見えた気がした。

特権階級である幕府武士階級権力を独占し、いつしかその利権の上にあぐらをかいていた幕末

この構造に立ち行かなくなった日本では、ついに幕府と身分階級解体し、

一部の特権階級だけでなく日本人全員が政治に参加できる世の中へと変化せざるを得なかった。

新しく現れた世界は、岩崎弥太郎台詞のように、生き馬の目を抜く世の中であり、

目端の利くものだけが成功し、変化を拒んだ特権階級は没落していったのだ。

では、この平成の世で既得権益の上にあぐらをかいていたのはいったい誰だっただろう?

...。

..。

思い当たった。それは、日本人だ。

日本人敗戦後、貧しい中から復興し、経済大国日本というブランドを築きあげた。

そして、同じく貴族階級ともいえる欧米先進国とともに経済活動を独占してきた。

だがそうして手に入れたブランドの上にあぐらをかいている間に、世の中の流れは変わった。

より多くの大衆がこれまで先進国に独占されてきた経済に参加を始めたのだ。

その代表が中国インドなどアジアの人々。

多くの人が平等競争することになれば、特権階級にあった人々が没落していくことは避けられない。

そのような世界では、岩崎弥太郎のように変化を恐れない人物だけが生き残っていく。

平成龍馬が行うであろう事は、

幕府武士階級解体する」ことではなく「日本日本人解体する」ということであるはずだ。

これまでの特権階級であった日本人(=武士階級)は、日本(=幕府)に助けを求める。

景気対策を。円高是正を。既存産業保護を。

なんとかして、日本を立て直さなければ日本人明日はない。

だが、平成龍馬は冷たく言い放つ。

日本は無くなるがです。」

容堂は問う。

日本日本人がいない世界に何が残るのだ?」

龍馬は答える。

世界を堂々と渡り歩くコスモポリタンが残るがです。」

こうして考えてみると、龍馬暗殺されたのも頷ける。

平成日本でもこんなことを大っぴらに話していたら、ほとんどの日本人から敵視されることだろう。

龍馬は言う、

「命を狙われるぐらいのことをしなければ日本は変わらん。」

さて、平成龍馬は現れるのだろうか?

平成の容堂は建白書を提出するのだろうか?

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん