2010-03-23

東京新聞:選挙終われば『ドレイ』か:私説・論説室から(TOKYO Web)

ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2010032202000084.html

民主党小沢一郎幹事長選挙を重視する。選挙至上主義と言ってもいい。昨年には

悲願の政権交代を成し遂げた。「選挙に強い」という神話の当否は別として、小沢氏の

指揮下、党全体が参院選での単独過半数確保へ走りだしている。

小沢氏はこう言う。

民主主義の原点は選挙だ。国民が最終決定権を持つ国民主権民主主義の絶対の

原則であり、その主権者が主権を行使する唯一の機会が選挙だ」

その通りだ。民主党政権を託したのは有権者自身である。その責任は選ばれた

議員だけでなく、有権者も負わねばならない。

しかし、小沢氏の言動を見ると、選挙後はとやかく言われたくないと考えているように

思えてならない。

有権者鳩山民主党政権にもどかしさを感じていても、次の選挙まで口出しできない

のだろうか。政権への注文も、行使すべき主権のうちではないのか。

革命に影響を与えた十八世紀の哲学者ルソー社会契約論に「イギリス人民

自由だと思っているが、それは大まちがいだ。彼らが自由なのは、議員選挙する

間だけのことで、議員が選ばれるやいなや、イギリス人民はドレイとなり、無に帰してしまう」

岩波文庫版)と書き記した。

議会制度欠点を指摘し、直接民主制を主張するのが主眼だが、選挙至上主義の

陥穽(かんせい)=落とし穴を言い当てているようでもある。

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