2010-03-07

キチガイ卒業した日

おととしの7月14日、私は首を吊った。原因はいろいろあったけど、就職活動がうまくいかなかったこと、父親が私の奨学金を持ってどこかにいってしまったことが重なったからだと思う。

周りの友人はどんどん就職をきめていて、部活に打ち込んだり遊んでいたりしていた。生きているとどうしてもいろいろ考えてしまうから、とりあえずそれから逃れたい、突発的な行動だった。

幸い吊って何分もしないうちに母親が帰ってきて助かったけれど、その後も地獄のような日々が続いた。過食症からの過食嘔吐で歯がぼろぼろになった。

眠れない日なんてザラだったし、親からキチガイ罵倒され、「娘がキチガイだなんて嫌だ」と泣かれたりもした。(親の中では精神科に通う人はみんなキチガイらしい)

そのころの私はとにかく”精神病になった自分”が許せなくてしかたなかった。もともとプライドが高かったし、まじめなタイプだったから、心の病気=甘えだろ!という気持ちが大きかった。

病気になったことで、人より劣るのが嫌だった。「かわいそうね」という目で見られるのが嫌だった。大学に通う間はなんでもないふりを通した。(今思うと、様子がおかしいことは確実にばれていたと思うけど)

そのころから、あるウェブサービスを使い始めた。最初からかまってちゃん全開の鬱ポストばかりしていた。とにかくはけ口がほしかった。

リアルの知り合いや親には言えるわけがないことを、インターネットにぽろぽろ書いた。インターネットの住人たちは”わたし”を知らないから。そう思うと弱みを見せるというか、思ったことをそのまま書けた。

そうこうしてるうちに、そこで友人とか、知り合いみたいな人たちができた(そう思ってるのは私だけかもしれないけれど、そう書かせてください)。私が鬱で死にそうな時や、しんどい時にReplyなどで助けてくれた。

第三者的にはかまってちゃん死ねよって感じなんだろうけど、私にはそれが救いだった。優しい言葉ひとつひとつが大切なものだった。ああ、私まだここにいていいんだなと思わせてくれた。

過食嘔吐で死にそうな時も、すこしいいことがあったときも、その人たちは本当によくしてくれた。

親から「キチガイは家からでていけ!」と言われ、今家出しているというポストをしたときは、何通か「どこにもいくところがなかったら家に来なさい」というメールももらった。

その中でも特に仲良くさせてもらってる人がひとりいた。共通の漫画が好きで仲良くなった彼女とはちょっとしたことがきっかけで住所交換をし、手紙をだしあったり、誕生日プレゼントを贈りあったりした。

誕生日の日、プレゼントといっしょに送られてきた手紙には「あなたがつらいとわたしもつらい、しんどいことがあったらなんでも話してほしい。それで気がまぎれるなら、こんなにうれしいことはない」と書かれていた。

おもわず泣いた。見ず知らずの人間に、こんな優しい言葉をかけてくれる彼女がうつくしくみえた。(彼女とはまだ会ったことがないんですけど、いつか一度会ってお礼をいいたいなと思ってる)

そうこうしてるうちに大学卒業し(奇跡的に留年はなかった)既卒無職になった時も、「バイトなんて嫌だ。まわりの同期は正社員で好きな仕事してるのに。」といってた馬鹿な私を

「とりあえずバイトから社会復帰してみなよ」「ずっと家にいると楽しくないよ」といろんな人がはげましてくれた。

卒業から半年でようやくバイトが決まり、決まったことをポストするとみんな自分のことのように喜んでくれた。病院にはずっと通ってたけれど、薬の量と過食嘔吐の回数がすこしづつ減っていった。

バイトは接客業だったので最初は本当につらかったけれど、仕入れをしたり、ポップを書いたり、包装をしたりするのは楽しかった。

職場人間関係がうまくいかなくて挫折しそうだった時も、あのときおめでとうといってくれた人たちのことを考えるとやめようという気になれなかった。

気づいたらいろんなことを楽しめるようになっていた。今年のはじめごろから過食嘔吐をしなくなった。世界がばら色に!とはいかないけれど、自分の調子が戻ってきた。

そして今日、最後の病院にいってきた。主治医に「最初のころは何年かかるかと思ったけれど、治りが早くて驚いた。まわりの人や環境がよかったのと、努力したからですね」といわれ、思わず泣いてしまった。

私がこうやって立ち直れたのは、あのウェブサービスで私のことを気にかけてくれた人たちのおかげです。本当に感謝しています。どん底だったとき、たとえ偽善でも気にかけてくれたあの人たちのおかげで、ようやくキチガイ卒業ができました。

本当にありがとう。ありがとう。あの時、死ななくてよかったと心から思ってる。あの時終わってしまってたら、この気持ちを味わうことができなかった。

フリーターだし、奨学金返していかなきゃいけないし、年金払ってないしでお先は真っ暗なんだけれど、なぜか、不思議とがんばれる気がします。

最近そのウェブサービスには顔を出してないけれど、今でも大切な場所です。直接あちらで書くのは恥ずかしすぎるので、ここに書くことにします。本当にありがとうございました

  • この増田を肯定すると、キチガイ(精神病)は「卒業」すべきものであり、端的に言えばよくない存在である、ということになる。精神病患者蔑視に繋がる。 かといって否定すると、例...

    • 根っこのところで精神病を否定しているんだろうね、未だに。 どんな病気であれ感知して健康になりたいと願う気持ちには嘘はないと思うけれど、 自分が直ったからと言って病気の存...

      • 苦しくないならそれでもいいんじゃない? 元増田は   病気>苦しい>治りたい>治った>うれしい ってことでしょ それに病気を否定するのと、病気にかかってる人を否定する...

  • 私がこうやって立ち直れたのは、あのウェブサービスで私のことを気にかけてくれた人たちのおかげです。本当に感謝しています。どん底だったとき、たとえ偽善でも気にかけてくれた...

    • >もしかしたら大学の同級生だったかもしれないし、隣のおばちゃんやイトコだったかもしれない それなんて「絶望の世界」(>_<)

  • かまってちゃん全開の鬱「ポスト」 しんどい時に「Reply」 「メール」ももらった あのサービスとは、twitterのことですね。

  • あなたが誰だかわからないけれど、よかった。なにかほっとした。

  • http://anond.hatelabo.jp/20100307125041 ツリーにツイッタでは?と書いてあるけど、私はアカウント凍結www http://paper.li/Tasmanian_good/1317696179  新聞も記事が作れない

  • http://anond.hatelabo.jp/20100307125041 キチガイを卒業した日 http://anond.hatelabo.jp/20100307125041 あるニートのお話

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん