2009-08-01

自分の扱い方を人に教えよう

自分の扱い方を人に教えよう

この言葉は、「事実などない。認識だけだ」の回でも紹介した『Life Strategies』(邦訳『史上最強人生戦略マニュアルきこ書房)という、01年にアメリカで大ヒットした本から学びました。

どうして自分がこんなに不当に扱われるのか、私ばかり損をしている、そう感じている人は少なくないはずです。私も30歳過ぎぐらいまでは、ずっとそのように感じていました。なぜ私ばかり貧乏くじを引くのだろうと。

しかし、この言葉に出会って、まさしく私はそのように扱われるよう、周りに対応してしまっているのだとわかったのです。

例えば、何か相手に対して不満があっても、それを訴えずに唯々諾々(いいだくだく)と言うことを聞いていると、私をそのように扱ってくれ、と上司や他の同僚に説明しているも同然なのです。同じように、夫婦や親子関係でも、相手にどんなに不満があっても、嫌々ながら相手の言うとおりに従っていると、相手はどうやってこちらを扱えばうまくいくのか、学習してしまうのです。それが極端な事例になると、職場でのモラルハラスメントパワハラ家庭内暴力につながるわけです。

一度、その仕組みを理解してしまえば、対応は難しくありません。自分がどのように扱われたいのか、堂々と主張する習慣をつければいいだけです。されて嫌なことは、嫌だからこう改善してほしいと相手に伝えます。逆に、自分にとって好ましい扱いについては快適だと伝えるのです。

しかも、この仕組みは「繰り返しのゲーム」ですから、互いのやり取りが増えて、それぞれの学習効果が高まるほど、よりよい関係を築いていくことが可能です。

もちろん、遠慮が先に立って、なかなか言えないこともあるでしょう。しかし、相手に言えないことを自分の中に鬱々(うつうつ)と貯(た)めていくことは、実は自分を傷つけているだけではなく、相手との関係性も強く、深く、傷つけているのです。そして、不満がある相手とは長期に安定した関係を築くことが難しくなります。

自分の取り扱い説明書を解説できるのは自分だけ。だからこそ、少しでもわかりやすく、周りの人に自分の扱い方を教える責任があるのです。

http://www.asahi.com/business/topics/katsuma/TKY200905240090.html

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