映画館で、あれだけ泣いたのは初めてだ。それも、30代半ばのおっさんになって。
自分でも始末におえないとは思っている。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版「破」
事前の情報で、エンターテイメント性に振ったものになっていると聞いていたし
そもそも今の自分は「エヴァ」にそれほどこだわっていないつもりだった。
「序」も、ポップコーン食いながら超まったりな鑑賞だったし。
だから、すっかり油断していた。
95年の秋から、97年の映画版EOEまで。
僕はすっかりエヴァにはまっていた。
大学生活が終わりを迎え、就職活動に向かっていた大学生の僕は社会生活に、そして自分にすっかり自信を失っていた。
いや、そもそも自信なんて持っていなかった。
学生時代のかなり長い期間イジメに遭い、精神的にはボロボロで。
外見やら身だしなみやら話し方やら、改善しようにもどうしたらよいか分からず見当違いのことばかりをして。
勉強はそれなりに頑張っていたから、それなりの大学に入ったけど、誰に褒められることも無い上友人は少なく授業は厳しく。
今までの人生における、努力に対する報われなさ感は最大、絶望感も特大、最低の時期だった。
そんな折、エヴァに出会った。
周囲から無理や理不尽を押し付けられる中、一時的には逃げつつも何とか踏みとどまって世界と折り合いをつけようとするシンジ君に
僕は共感以上のものを覚えた。
そして、彼に自分を重ね合わせ、彼が幸せをつかめることを、僕がこの境遇から抜け出せることを、切に願った。
TV版で相当やられていたけど、まあそれはそれとして。
正直映画版見終えた後、茫然自失になり、しばらく何をしたか覚えていないくらいショックだった。
「エヴァ」とは正反対に、自分の状況は就職してから急激に好転した。
精神的な余裕ができて、色々な物事にチャレンジできるようになり。
時間や金銭にも余裕もできて、遊びの幅も広がり。
拷問のような学生時代のことは、時折悪夢として夢に見る程度で意識しない限り思い出さなくなっていった。
もう一度言う。だから、すっかり油断していたんだよ。
特に、ラストの20分くらいはもう本当に涙が止まらなくて。
彼が、自らの手を伸ばして何かを掴み取ったことが喜ばしくて。
闘うという決意が報われたことに、雨が上がった後の青空のように気分が晴れて。
90年代半ばの自分が求め続けたものが、そして決して得られなかったものが、そこにはあった。
あれは確かに「エヴァンゲリオン」の「続き」だった。
間違いなく。
僕にとってはそれだけで幸せだ。
以上、掲示板やBlog等読んでいて、昔ほど感情的な感想が無いなぁと思ったので書いてみた。
皆成長したんだな。僕みたいにアレを引きずっているのは少数派になったのか。