2008-12-16

日は昇ったのに暗いのです

朝のニュースの話。

突然会社から解雇通達された「正社員」のインタビュー

家を買って数年、月12万のローンが20年以上、9歳の娘。

夫人は「生活費など切り詰められるところを切り詰めるしかない」とつぶやく。

クリスマスに欲しいものを尋ねられた娘は「ブーツが欲しい」と笑う。

そんな娘を膝に乗せて、笑うしかない男。

なんとも暗くなる朝です。

派遣社員がメッタギリされ、新卒内定者が取り消され、正社員リストラされる。

派遣社員は明日の暮らしもままならなくなる。

内定者だった者たちは就職氷河期の再来に飲まれる。

正社員は描いたはずの未来設計が消えてなくなる。

なんとも暗くなってしまいます。

派遣を簡単に切っちゃいけない法をつくろう!内定取り消しには罰則を!企業正社員を守れ!

といろんなことが騒がれていますが、とにもかくにも現状として憂き目に遭っている人たちをどうやって保護するのかがいまいち分かりません。

この分からないってのがすごくイヤな感じ。

いわゆるセーフティーネットが貧弱なんでしょう。よく言われるように。

以前、大阪府知事が「最後は生活保護がある」と仰せられたけど、そんなギリギリのそのまたギリギリセーフティーネットじゃなくて、

この不況下で考えうるリストラだのを喰らったときに、再び立ち上がるための道筋が見つけられること=希望存在確信できることこそ、

落とし穴にはまったときに必要とするものだと思うのです。

落とし穴の底に、なんとか飢えないだけのチョコレートがあるのと、上から1本のロープが垂れ下がってるのでは全然意味が違うわけだし。

よく「日本はやり直しがきかない国だ」って聞くけれど、結構ブルーになるフレーズです。

そのニュースでは就職斡旋、つまりハローワークの現状についても述べられていました。

こんなご時勢ですからどんな職業求人は減っている。そこに大勢の人が群がる状態。だと。

さっきとは別の男性の話では、ドラマか何かのような話だけど、高校3年生と中学3年生の子ども失業したと言うことができずに、

彼は朝スーツを着て「いってきます」と出掛け、ハローワークに通い、夜まで公園時間をつぶしているのだそうだ。

家族の危機を打ち明けられないような家族状況ってのもイヤですが、なんとも切ない。

そんなハローワークで唯一、求人が増加している業種があるそうです。

それが介護・福祉関係仕事

ある介護サービス会社は一ヶ月で50人も新規採用したそうな。へー。と。

介護・福祉のイメージは体力的・精神的に負担が大きく、そのわりに給料が安いという感じ。

そして「福祉の精神」が必要。結構ハードルが高い。

しかし、そのサービス会社の人曰く「仕事自体は、言ってしまえば誰にでもできる」と言い切っていました。

んなアホな。と突っ込みを入れかけましたが、しかし、そうなのかもしれません。

早くから介護・福祉関係仕事を志していた人たちは「福祉の精神」を備えているのでしょう。

じゃあ「福祉の精神」を必ず備えてなければならないか、というとそうではないと思います。

福祉に興味はないが仕事もない人が、人手の不足している職としてたまたま福祉関係仕事をしたってかまわないと思うんです。

無論、常識の範囲内での慈しみの心だとかは必要でしょうが、

「これが仕事である」と割り切れるのなら(覚悟ができるのなら)戦力としては成立するはず。

働かなければならない、という圧力はある程度のハードルを超えられる、はず。

しかも、介護・福祉の仕事は今後ますます人材が必要になります。

高齢化によって”サービスの享受者”が増えていくのだから。

それだけでなく、これだけ人手が余ってしまっている一方で介護・福祉のような労働集約型の産業人材不足になっているのだから、

介護・福祉職は特殊で難しい」という考えは過去のものにして、言い方が悪いのかもしれませんが単なる労働力の矛先として

介護・福祉関係に集中するという考えは真っ当な気がします。

現時点で「福祉の精神」を持ち合わせていないがためにそっち方面の仕事を検討しないというのは、

自分の現状と日本の現状を考えたときに正しい姿勢だとは思いません。

働いているうちに福祉の精神が身につくかもしれないですし、仕事と割り切れてしまうかもしれませんし。

ただ、労働力介護・福祉職に向かうためには、もっと国がそっちにお金を使わなければいけないでしょう。

これはもっと以前に見たニュースでの話ですが、ある男性が、介護職に就いているけれど収入が低すぎるので、

国家資格である社会福祉士試験を受けてうんぬん、という話。

つまり、資格を持つのと持たないのでは、働く熱心さが同じでも給与が段違いなのだそう。

だから資格を持ってない人は負担の大きな仕事薄給でこなさねばならない→人材不足となる。のかな。

以下(まあここまでも)、難しくてよく分からんので勘で話します。

例えば一つの対策として、話題の給付金を国民すべてに配るのをやめ、職を失った派遣の方や被リストラ正社員の方に対して、

介護・福祉職への誘導を行う費用に充ててみるとかどうなんでしょう。

基本的な介護・福祉講習をしてみたり、そっち方面の職に就く人にはいくらかお金を渡したり。

とにかく、溢れ落ちてしまった人たちを、極端に空きがある職へと導くことができればいいなあと。

そのために国は賢い頭を(高速で&必死に)使わないと。

なんだか思いつきで書いてしまいました。

間違ったこと言いまくってる可能性が高いので、気になることがあれば指摘するなり苦笑いするなりしてください。

なんにせよ僕は朝から暗い気分なのでした。

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