2008-09-11

バンナムのTOVの戦略はかなり無理してる気がする

「ひとつの転換期を迎えないといけないのかな」(郷田)――Xbox 360テイルズ オブ ヴェスペリア』の開発秘話

http://www.famitsu.com/game/news/1217975_1124.html

このとき、「国内ではまだ十分に普及していなかったXbox 360向けにソフトを作るとなると、販売本数に限界があるし、スタッフモチベーションを上げるのが難しい。どうしたらいいか?」と郷田氏は悩んだ。が、Xbox 360海外での好況を考慮すると、海外も含めて展開すればビジネスとして成功する」と皆を説得した

※太字部分は引用者によるもの

これ、かなーり無理してる気がする。

バンダイナムコゲームス、「テイルズ オブ」シリーズ

世界累計販売本数1,000万本を突破

http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20071211/tales.htm

株式会社バンダイナムコゲームスは、同社の「テイルズ オブ」シリーズの販売本数が、12月6日をもって、全世界累計で1,000万本突破したと発表した。地域ごとの販売本数比率は、日本国内87%、北米8%、欧州3%、アジア2%

※太字部分は引用者によるもの

過去作品の売り上げの9割弱が国内供給で占められているんだよね。つまり日本以外では12年間、20タイトル出して合計130万本しか売れてない状況下で「海外も含めて展開すれば」というのは説得材料としてはかなり厳しい気が。しかもそのうち200万本強が携帯機のリメイクだし。

http://www.famitsu.com/game/news/1217975_1124.html

テイルズ オブ ヴェスペリア』立ち上げの詳細ついて語ったのは樋口氏。まだプラットフォームが決まっていない当時、『テイルズ オブ ジ アビス』がビジネスとして好調だったため、社内で「次回作プレイステーション2で」という話になったという。

※太字部分は引用者によるもの

アビス」の発売日が2005年12月だから、これが好調な時期となれば2006年初頭を指すと思われるんだけれども、この頃の国内のXbox360の販売台数って10万台をやっと越えた程度だったはず。北米では既に150万台程度売れてたわけだけれども、あれだけ北米でも普及しきったPS2GCで出した8本の全世界累計販売本数は500万本弱で、そのうち大半が日本での販売なのを考えると、一タイトルあたりの国外での販売本数は好調とは言い難い数字だったはず。何を根拠に「ビジネスとして成功する」と樋口氏は確信に至ったのだろうか。よほど開発が低コストで済みそうだったのか、国内市場を諦めても補って余りある売り上げを国外で確保できる内容にする予定だったのか。もしその答えが例のDLC商法なのだとしたらちょっと悲しすぎる。

多分、業界内(特にバンナム内部で)この開発秘話を額面通りに受け取ってる人は少ないんじゃないだろうか。国内販売が売り上げの大半を占める自社の看板タイトルなのに、国内でも最も普及していないハードで出さざるを得なかった「何か」があったのではないかと邪推せずにはいられない。

テイルズシリーズファンサイトやってる身としては、こういう事を迂闊に自分のブログに書けないのは辛い。特にTOVはもっと売れてもいいはずなんだけど。

追記

テイルズ オブ ヴェスペリア特集 第二十一回

http://www.famitsu.com/blog/jamzy/2008/09/tov_021.html

写真右、ご存じ樋口さん。

基調講演もこのジャージ姿でやったった、と僕に言います。

ひどい!ガッチリスーツで行ったのにっ!!それはさておきw

「売れた数じゃないんですよ、TOVは。魂が伝われば良いんです。」

とこのパーティーから四次会の席でもずっと言ってました。

無理しすぎだろ…。

  • これを書いた元増田だけれど。 http://anond.hatelabo.jp/20080911223742 Wii向けソフトでミリオン連発バンダイナムコ クリエーターの化学反応で新市場創出を狙う http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/speci...

  • 元増田だが、やはり懸念は的中した。 ゲーム雑誌の早売り情報によると、TOVのPS3移植が決まったらしい。

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