2022-10-08

anond:20221008010057

餃子のタレを作るときはまず小皿4分の1ほどに酢をひたす。勘違いしている人が多いが餃子のタレのベースは酢なのである。酢の上に醤油を垂らしてゆく。醤油差しはほんの少し傾けるだけでいい。酢の色が黒くなり始めたところでストップ。一見簡単そうだがこの加減が難しい。熟練には数年を要すると言われる。そして辣油は一、ニ滴ポタ。油膜が綺麗な円を形作るくらいで良い。それ以上やると辣油の辛味がタレを支配してしまう。辣油は脇役、ピリッとした風味を添えるだけでいいのだ。スパイスとはそういうものである

だが餃子との相性でもっとパンチを効かせたいという時もあるだろう。いつもの餃子がいつも同じ味とは限らないのだ。そんな時、そしてその時こそ、辣油本領を発揮する。もう一滴、いやこれではだめだ…もうニ滴。いや、これはひょっとしてもう三滴垂らすべきなのか?餃子の神は私を試しているのか。逡巡また逡巡。そして意を決して辣油瓶の蓋をあけ、中身を小皿にぶちまける。みるみると赤黒く染まってゆくギトギトのタレ。

ひとはそれを「追いラー」と呼ぶ。

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