かっこつきの空白
中学生の頃って誰しも痛い言動をするものだと思う
曇天の下、中学生Aは「空に続くものってなあんだ」と中学生Bに問いかけた
「宇宙とかオゾン層とか?」と中学生Bは答えた
「違うよ、死だよ。死亡の死。どれみふぁそらの次は死でしょ」と自信たっぷりの口調で中学生Aは説明する
「 」
中学生Bは何と言うべきか悩み、空を見上げ、天啓を得た
「そらしの次に続くものって何だかわかる?」と今度は中学生Bが問いかける
「えー、何だろ、土?つち?」と中学生Aが答えた
「違うよ。『しらむ』だよ。『空白む』で、死を迎えた空も白んで、世界はまた明けるんだよ」と中学生Bは自分の考えに酔った口調で説明する
中学生Aは何と言っていいかわからなくなった
それでも中学生たちは自分たちは最高にかっこいい会話をしているんだと思っていた
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