2022-05-23

ときは春 いまは朝 朝の七時

朝露が丘に煌き 雲雀が風に舞い 蝸牛が枝を這う

神は天にいまし すべて世はこともなし

今日死ぬはいい日だ

すべての命が私と調和している

すべての声が私と合唱している

あらゆる美しさが私の目を休ませてくれる

あらゆる悪い考えが私から立ち去っていった

今日死ぬはいい日だ

大地は穏やかで 畑には最後の鍬が入れられた

家は笑いに満ちていて 子供たちも帰ってきた

そう 今日死ぬにはとてもいい日だ

胴を失った巨大な石の脚が沙漠に立ち

かたわらには砂に埋もれて崩れた顔が転がる

その渋面 皺の寄った唇 支配的な冷笑

彫師がその心根をよく見抜いていたことを伝える

写し取られた嘲りの手とそれを生んだ心は

命なきものに刻まれながら未だ生き永らえる

そして台座には銘が見える

 我が名はオジマンディアス 王の中の王

 汝ら強き者どもよ 我が業を見よ そして絶望せよ

かには何も残っていない

その巨大な遺骸の周りは果てなく荒涼とし

寂しく平らかな砂が彼方まで広がっている

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