2020-08-28

蝉たちはどこへ消えたのか

今年もうんざりするほど蝉がいた。特にアブラゼミ

奴らが這い出てきたであろう穴が、敷地内に無数に空いている。

猛暑増長させるようなあの鳴き声が、毎日時間、そこら中から響いていた。意外と夜でも鳴いているのだが、昔からそうだっただろうか。記憶にない。

幾らか暑さが弱まってきたここ一週間ほど、蝉の数が明らかに減ったのを感じる。

たまにアブラゼミクマゼミの死骸が道端などに落ちているが、しかし明らかに、圧倒的に、生きている時よりも数が少ない。

そしてその死骸も、一日経つと消えていたりする。逆にずっと転がっているものもある。

(補足だが、消えるのは人の手によるものではない。わざわざ蝉を掃いて捨てる物好きはうちにはいない)

あの大合唱が嘘のように静まり返り姿もなく、しかし抜け殻だけが大量に残っている。奴らがいたのは幻ではない。

奴らは、蝉は、どこへ消えたのだろう。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん