奴らが這い出てきたであろう穴が、敷地内に無数に空いている。
猛暑を増長させるようなあの鳴き声が、毎日毎時間、そこら中から響いていた。意外と夜でも鳴いているのだが、昔からそうだっただろうか。記憶にない。
幾らか暑さが弱まってきたここ一週間ほど、蝉の数が明らかに減ったのを感じる。
たまにアブラゼミやクマゼミの死骸が道端などに落ちているが、しかし明らかに、圧倒的に、生きている時よりも数が少ない。
そしてその死骸も、一日経つと消えていたりする。逆にずっと転がっているものもある。
(補足だが、消えるのは人の手によるものではない。わざわざ蝉を掃いて捨てる物好きはうちにはいない)
あの大合唱が嘘のように静まり返り姿もなく、しかし抜け殻だけが大量に残っている。奴らがいたのは幻ではない。
奴らは、蝉は、どこへ消えたのだろう。
ほほう 詩的な増田だな。夏の終わりを表す美しい文章ではないか。花丸を上げよう。🌼〇
花丸もらうのなんて小学校以来だわ サンキュー
読んだら良い文章だった いいね
思いがけず褒められて今日は脳味噌ハッピー野郎だわ ありがとう 残暑もまだまだ厳しいから増田達も気を付けてね
スカベンジャーのお腹の中に。
地面の死骸はアリさんとか他の昆虫があっという間に食べちゃう
恐竜はどこへ消えたのか? を思い出す。
増田萩原朔太郎賞