周囲は林になり、すぐに道は未舗装になった。海まで行けるのか分らなかったので私は自転車を壁に立てかけて少し歩きだした。
途端に視界の端にかろうじて入っていた警察官が3人ワラワラっとダッシュしてきて私を取り囲んだ。
「あ、スイマセン」と言って自転車を移動させたらそれ以上怒られたり職務質問されたりすることはなかった。
話はそれだけのことなのだが、おまわりさんにかけられた
「御主人!」
という呼びかけ方がなんだか変な感じがして心に引っかかった。
「おにいさん!(おねえさん!)」「お父さん!(お母さん!)」
が良く使われる気がするが、今回の場合
「おにいさん!」と呼ぶにはオッサンだし「お父さん!」と呼ぶには家族連れでもないので「御主人!」になったのかなあ?
「御主人!」も既婚者か店主・経営者に使う言葉のような気がするし適当でないような…。
でも「そこのあなた!」とか「そこのおじさん!」よりも高圧的ではない気もする。
一方で夫を「主人」、妻を「奥さん」と呼ぶのは主従関係を表すのでよろしくないと少し前に女性の作家さんが書いていたことを思い出し、何が正解なのかますます分からなくなったのであった。