それは生きていれば誰に対しても絶対に与えられている権利だ。
つまり死である。
死とは世界から自分が失われることではない。
人間だと信じる自分の記憶だけが消えてなくなるのであって、自らを形作る物質そのものがなくなるわけではないのだ。
そのことに気付いてからというもの、生きることの不安が随分と楽に感じられるようになった。
すべての記憶が失われるだけ。
物質は残り、命はまた同じように生み出され続けていく。
自分とは自分を自分と信じている連続した記憶が作り出す幻に過ぎない。
死とは、その儚き夢から目覚めるだけなのだ。
つらいことすべていつか忘れることができるのだから、これからも一生懸命に生きていこう。
Permalink | 記事への反応(1) | 13:53
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