2010-02-10

忍耐は美徳ではありません

私は一度自分の懐に入れたものに対しては、非常に忍耐力のある性格をしていると思う。きれいな言い方をすると「見捨てない」のだけど、ぶっちゃければ「切り捨てる勇気がない」ということだ。

とりわけ維持や遂行に手間のかかるものほど、切り捨てることに対して抵抗がある。mixiアプリで言えば「みんなの農園」であり、人付き合いで言えば困ったちゃんの友人。人生で言えば無謀な中学受験や美大受験新卒で入ってしまったブラック会社イラストレーターになる夢と、切り捨てられなかったものを挙げていくと枚挙に暇が無い。すると、

「あいつと付き合うの辞めなよ」

「そんなに嫌なら辞めれば」

みたいなことを友人や両親から日常的に言われるわけですね。私はこれに対して「でも…」「でも…」を連呼します。不幸に酔っているわけではなく、耐えに耐えてきた時間を負けた状態で精算するのは損なような気がするからです。つまり利益を得るまで辞められない。

あんなバグ満載ゲームであるみん農ですら全面開拓するまできっと辞められない。難解な性格のせいで周囲から疎遠にされまくっている友人と、未だに友情を育んでいるのは私ぐらいでしょう。当然受験合格するまで浪人したし、会社には慣れてしまった。全く売れていないけどレーターの端くれにもなった。忍耐は既に私の血肉となっていて、己の身に降りかかる理不尽に対して、スルーすることばかり覚えてしまったのです。もうね、抵抗するのも面倒くさい。

前置きが長くなった。えーとそのつまり、来月結婚するんですよね。婚約者は、度を超えたナルで、私に対して時間を割くことを極端に嫌がる人です。私のことはマスコットかなんかだと思ってるでしょう。付き合い出した瞬間から「あいつだけは辞めとけ、お前が幸せになれない」と周囲から忠告を頂くような関係でした。もちろん私は彼の前向きな性格仕事に対する姿勢尊敬しているし好きなので幸せなのですが…思えば、これは愛なのではなく単なる意地なのではないでしょうか。暴力こそ振るわれてないけど、私がスルーしなければ両手両足では足りないほど別れるフラグがありましたから。

今、私が結婚したいと思っている気持ちに自信が持てません。古来から吐くほど繰り返されてきたマリッジブルーの一種だと自覚はしているのですが、信じられないのが彼ではなく自分性格だというあたりがやりきれない。切り捨てる勇気がないばっかりに、彼とのおだやかな老後というゴールを勝ち取るまで辞められないだけじゃないの。それで結婚なんかして大丈夫なの。そんな声がぐるぐる巡って不安に押しつぶされそうだ。理不尽と戦うことを怠けたツケをこんな人生の岐路で支払わされることになるとは思わなかった。

  • 耐えに耐えてきた時間を負けた状態で精算するのは損なような気がするからです。つまり利益を得るまで辞められない。 投資で絶対勝てないタイプだなw

  • 忍耐力があるっていうんじゃなくって現実が見えないただの頑固者って事でしょ。 その上最後までそれを突き通せない優柔不断さ、 こういう文を見ると、こいつって馬鹿だなと人に思わ...

  • この先60年以上も勝つことのできない勝負を続けようというその根性は尊敬する。

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