2009-11-06

ドブ板選挙の何が悪いのか?

道路を作ります、橋を掛けます、農家補助金をばら撒きますと、約束して回るのがドブ板選挙本質である。地域予算を持って来るという約束をして回るには、その財源を確保しなければならない。歳入を上回る歳出が行われるようになったのは、この、ばら撒きをやりすぎた為と言える。税収を超える歳出を繰り返す政治体制は、維持できない。自民党は、政権党として長い間それをやってきたからこそ、変わらなければならなかった。

この危機意識が、自民党全体の共通認識であれば良かったのだが、実際には、この危機意識上げ潮派(構造改革派)の、それも一部だけという状態にあった。財政再建派は足りない銭は増税で賄えばよいという考え方であるし、積極財政派は、財源が足りないのは景気が悪いからで景気が悪いのは財政出動が足りないからだという主張であり、ばら撒く事が政治だという考え方である。

国家財政の危機に対し、一番危機感が無いのが積極財政派、危機感はあるが、増税で穴埋めしてばら撒き自体は続けるというのが財政再建派、ばら撒きを止め、財政出動をしなくても景気が良くなる方向に社会制度を変更していくというのが、構造改革派であった。

ドブ板選挙をやれば、与党で居続けられるが、ドブ板選挙与党の地位を得ても、肝心の国家財政破綻してしまうという認識ができたのが、小泉改革の唯一の功績とも言える。少なくとも、自民党議員は、ばら撒きの約束をしなくなっていった。そこにつけ込んで行ったのが、民主党小沢氏である。

田中角栄劣化コピーである小沢氏は、ばら撒きを公約し、地方の票を根こそぎにしていったのであった。埋蔵金を掘り起こし、無駄を省けばばら撒けると主張し、民主党なら増税構造改革もせずに昔のばら撒きで潤った時代に戻せると主張し、選挙民はそのドブ板に乗っかったのであった。

今は、そのドブ板が、ひび割れだらけの上にあちこち朽ちていて、いつ割れてもおかしくないボロ板であることが、徐々にばれてきた所と言える。

問題は、民主党ダメである事が共通認識になった時に、では、どうするかという点である。民主党の中で首相ポストをたらいまわしにしても、基本的に無能の烙印を押されて自民党から追い出された人と、自民党地方議員にすらなれなかった人の集まりであり、首相や閣僚の首を挿げ替えても、まともになるという可能性は皆無である。

ばら撒きを繰り返す体制は、もはや維持できない。民主党はばら撒きを復活させると公約して政権を取ったが、財源が無くて何もできないと白旗を揚げるしかない状態になっている。自民党が、ばら撒きを前提とした選挙運動から脱皮し、財政出動依存しない政党になれるかどうかというと、現在の党首が財政再建派であることからむずかしい。次の参議院選挙までに、自民党全体が構造改革派に衣替えする可能性は、第三の政党が出てくる可能性と同じくらいに少ないのであった。

  • もうすっかり構造改革=弱肉強食=格差拡大のイメージ付いちゃったからもう無理でしょ。そのイメージが薄れるまであと25年は無理だと思う。 思うに、派遣解禁の波と一緒にやっち...

  • ばら撒きのせいで財政赤字が増えたというのは勘違いでは? 今の国債残高の多くは橋本小泉とかの構造改革路線以降にできたもの。 ばら撒き利益誘導と批判され続けた55年体制の自民党...

    • 今の国債残高の多くは橋本小泉とかの構造改革路線以降にできたもの。 国債残高の増加率が最も大きいのが小渕政権時代なんだが。 残高そのものと残高の増加率を混同すべきでない。

      • 増加率で見たって構造改革政権と55年体制を比べれば後者のほうが低い。 それに小渕政権は金持ち減税やら規制緩和やってるし公共事業もITや都市部中心。 従来型のばら撒き路線という...

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