知人に某分野の作家が居る。時々彼の自宅に遊びに行くと、書きかけの原稿を見せられ意見を請われる事がある。
一通り読んで、登場するキャラクター達の名前に特徴がある事に気づいた。
「そういえば、○○○(某有名ゲームソフト)の登場人物の名前と重複している場合が多い気が。」
「ああ。意図してそうしてる。」
「それは何故?」
「今のところ×××や□□□といった名前は○○○の登場人物にしか使われていない。つまり×××や□□□といえば○○○の登場人物を想像する人が多いという事だ。」
「まあ、確かに。」
「なので、その名前を付ければ、自然と読者は○○○の方の個性やそれにまつわるストーリーを頭に思い浮かべるわけだ。」
「ほう。」
「○○○で設定されたものから踏襲したり、逆に崩したりする事で、俺の作品の登場人物の印象を少しでも深められれば、と思ったわけだ。」
「そんなものなのか。」
「効果のない人には全く無意味だが、しかしある人には強烈にある。」
「よく分からないな。」
「たとえば、アル中で若い女性に目がないセクハラ老人の名前が『ビュコック』だったら、お前とて必ず一度は脳内で例の名将と比較するだろう?」
「うーん、何とも。」
「じゃあもっと分かりやすいたとえをだそう。もし俺の作品に『千早』という巨乳の女性キャラクターが登場したら、どうだ?きっとお前の心には何かが芽生えるはずだ。」
「・・・。」
「ああ、俺には何も言わなくていい。しかし心の中でもう答えは出ているはずだ。つまりはそういう事だよ。」
その後、とりとめのない雑談をしながら安い酒を酌み交わして俺は彼の自宅兼仕事場をあとにした。あれから1年ほど経ち、彼の作品はそれなりの人気と知名度を維持しながら続いている。彼との付き合いも続いているのだが、いつ作品に『千早』を登場させるのか、俺は未だ彼に聞けずにいる。まだですか。
某分野って、どう見てもラノベかエロゲだし、その作家とやらの口調がキモオタっぽくてキモすぎる。
こんなしゃべり方するエロゲ作家って一人しか知らない。
同人根性の塊みたいな作家様だな。