2009-04-20

The Pirate Bayの有罪判決が騒がれているワケ

http://anond.hatelabo.jp/20090418011155

正直、まだなぜこれがそれほど騒がれているのかが分かってないんだけど、賠償金額の高さだろうか?

日本ではJASRACが悪の秘密結社ユーザの敵呼ばわりされているように、海外だと米国レコードレーベルを代表するRIAAとか(実質的に)ハリウッドを代表するMPAA、国際的なレコード産業団体IFPIが同じような扱いを受けている。

The Pirate Bayはその辺をあからさまに挑発していて、こうした相手からの削除要請に対しても、相手を小馬鹿にしたよなメールでのやり取りも公開したりとか、ずっと対立姿勢をとり続けてきた。

基本的に大半のBitTorrentサイトは、権利者からの著作権に基づく削除要請にしたがってTorrentファイル削除しているのだけれど、The Pirate Bayはそうした削除要請は一切受け付けないというスタンスを一貫してとり続けている。

で、そうしたスタンスに加えて、The Pirate Bayは現在公開されているTorrentの約50%をトラッキングしている、と言われている。日本ではBitTorrentよりはWinnyShareユーザシェアが高いものの、海外(特に英語圏)ではBitTorrentダントツの人気を誇っている。違法P2Pファイル共有の用途で、だけど。

http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1422.html
世界P2Pトラフィック統計を見ても、ほとんどの地域で50%前後、またはそれ以上の数字を示しており、いずれの地域においてもBitTorrentシェアは高い。

個人的には、合法的な利用であって欲しいと願うものの、その大半は違法トラフィックだろうし、(責任があるかどうかは別にしても)その転送に深く関与しているのがThe Pirate Bayだ、ということになる。

実質的に、The Pirate Bayは世界規模の海賊トラフィックにおいてかなり重要な役割を果たしており、これまでコンテンツ産業(や米国レコード産業団体、国際的なレコード産業団体)から名指しで非難されることもしばしばあった。

IFPIなどは、そうした非難だけではなく、各国のISPに対して、The Pirate Bayへのアクセスを遮断するよう訴えを起こしており、一部ではその訴えが認められている。また、イタリアに至っては、IFPIからの要請にしたがって国内からのThe Pirate Bayへのアクセスを遮断する、などという事態にまでなった(これは後に違法とされ、解除されたが)。こうしたISPによるアクセス遮断を求める、というのは、IFPIのアンチパイラシーの1つの柱となっており、そのメインターゲットがThe Pirate Bay、ということになる。

余談ではあるが、今回の判決ではそれほど技術的な部分に深く踏み込んではおらず、その意図を持って著作権侵害幇助とされた、という。報道ではThe Pirate BayはTorrent検索サイトとされているが、The Pirate Bayの果たしている役割として最も大きいのは『Torrentトラッキング』していることにあると思っている。BitTorrentサイトといっても、TorrentホストしないTorrentメタ検索サイトTorrentホストするTorrent検索サイトTorrentトラッキングするトラッカーがあり、The Pirate Bayは後二者の役割を果たしていた。そしてトラッカーとしては世界Torrentの約半数をトラッキングするほどだった、と。

written by id:heatwave_p2p

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