2008-09-15

職人と呼ばれる

16,7で弟子入りして60年くらい経つと、年季のいった職人になる。ようするに一生をそれにささげたってこと。趣味なんて生臭いことに手を出さず、自分の仕事だけこつこつやっていると、妙に仏教的な、垢がこすれ落ちたような人間と作品ができあがる。

重要なのは時間をかけること。

プロとはちょっと違う。職人の場合、あまり生活の話が出てこない。いや、生活の話は出てくるんだが。年収が低くて困ったとか、需要が無くなって困ったなんてものの埒外にあってほしいとみんなが願うのが職人。そういう意味で、きちんと年収を稼いで一定のレベル仕事をし続けることをしているプロは、職人とは少し違う。職人は一定レベルではなく常に最上を目指す。

職人が偉くてプロが駄目などという話ではない。

アマチュアはどちらも目指すこともできる。ただし、学生時代アマチュア職人的な道を目指したとしても、卒業すると生きていくということに直面する。そうすると、もう職人的な超絶技芸、世界的名作なんてものからは目を背けないといけない。趣味なんだから。普通仕事ほど時間を割くことができない。プロは一定時間内に一定のレベルの出力を常に出し続けることができる。趣味としてのアマチュアは限られたプライベートの中でこつこつと楽しむことしかできない。

まれに、食うに困らないアマチュアがいて、その中から職人的なものを目指すやつが出てくる。中世ヨーロッパの「学者」たちの中には、パトロン付きのアマチュアがたくさんいた。たいした出力は要求されず、お給金はしっかり払われる。その中で、自分だけの坂道を一歩一歩登ってった連中

食うに困らず、時間がたくさんある、という状況にもいろいろあるのだろうけど。

どうせ引きこもって働かないのなら、ギターベース超絶技巧に挑戦してもいいんじゃないか。

  • http://anond.hatelabo.jp/20080915150257 実際に職人と呼ばれる人は大勢いる。wikipediaにもこの用法は載ってないけど、建設現場で働く技能工はみんな「職人」て呼ばれてる。 伝統工芸とかで言われ...

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