2020-03-09

なぜ野党はまとまらないのか

何がなんでも安倍を倒すという一点では、意見の相違がないと思われる野党各党(維新は除く)。しかし、ここ最近野党共闘に暗雲が立ち込めている。その理由のいくつかを、自分観測範囲内でまとめてみた。

そもそも国民民主と立憲民主の仲が悪い

立憲民主は、希望の党が立ち上げられた時小池百合子に「排除」された立場なので、国民民主には恨み骨髄。また、国民民主比較保守的なのに対し、立憲はリベラルという違いもある。

立憲は国民民主資金が欲しい(民主時代政治資金を引き継いでいるのは国民民主)、国民民主は立憲の票が欲しい、という事情があり合流を模索しているが、政治スタンスの違いや主導権争いのため落とし所が見つからない。

共産党存在がネック

数年前から野党共闘でいつも問題になるのが共産党存在共産以外の野党の中には保守的政治家もおり、こういった政治家の支持者は共産党との連携を嫌う。安倍もそれを分かっているので、野党共闘を崩す狙いで、しばしば共産を腐す発言をする。実際、幾人かの保守的政治家は野党を離れて、自民に合流ないし無所属になっており、自民による切り崩し工作成功している形。

国民玉木がノイズ

国民民主の玉木は、昨年の参院選の結果を反省し「反対ばかりでなく、是々非々で行く。改憲議論もする」と自民に譲歩するような発言をした。これがきっかけとなり、立憲支持者らは「馬脚を現したな、安倍の犬め」といった攻撃を開始。党内でも異論が噴出したため、玉木はトーンダウン。玉木はYoutubeで各党の政治家と対談をしているが、相手に合わせて調子のいいことを言う人間なので政治スタンス不明野党共闘にとってノイズになっている。

実は立憲とれいわも仲が悪い

れいわの山本太郎が、消費減税に賛成しないなら立憲に対決候補をぶつけると言ったことで、双方の関係悪化。以来れいわと立憲の支持者は、互いに互いを「野党共闘を邪魔しやがって。お前、安倍の犬だろ!」と罵り合っている。

消費減税に踏み込めない立憲

昨年の消費増税による景気の冷え込みは、野党にとって、与党を攻める格好の材料と思われる。実際、共産れいわ・国民は消費減税ないし廃止を言っている。しかし、立憲がこれに慎重。なぜなら、立憲には消費増税を決めた当時の閣僚が数多くいるため、増税が失敗だと言うと批判自分たちに返ってきてしまうからである

京都市長選での立憲・共産関係悪化

先日の京都市長選で、自民公明国民立憲社民推薦の現職と、共産れいわ推薦の新人が激突。これ自体はよくある構図だが、相乗り候補側が「共産党市長はNO」という広告を出したことで、両党支持者の間で争いが勃発。また、これについて質問された枝野が「承知してないので答えかねる」と無責任な反応をしたことが、火に油を注ぐことに。

新型インフル特措法改正で立憲と、共産れいわの関係が更に悪化

上述の通り、この一年ほどで立憲と共産れいわの関係は冷え込んでいる。更なる関係悪化火種となっているのが新型インフル特措法の改正。今回新型コロナ対策のために、同法改正されるわけだが、安倍の協力要請に応じ国民や立憲は改正案に賛成。しかし、同改正案に緊急事態宣言可能とする条項が盛り込まれているため、共産れいわは反対。兼ねてからのいざこざもあって、立憲支持者、共産れいわの支持者の間で、またも「安倍の犬め」と言い合う事態が起きている。

それで、どうなる?

このように、野党間でまとまれない状況が続くと、漁夫の利を得るのは自民党だ。

景気の冷え込みや新型コロナ安倍自民は大きく支持を落とすだろうが、今の野党では自民支持を離れた国民の受け皿にはなれない。もし今年のどこかで解散総選挙が行われても、投票率が下落するだけだろう。そうなると、団体票・党員票を多く持っている自民が有利になる。実際、安倍政権が国政選挙勝利し続けてきたのはこのためだ。

このままでは、国民の大半が安倍自民を支持せず投票もしていないのに、安倍自民選挙で勝つという状況が起こることになる。それを避けるためには、野党一枚岩になり統一的な政策を打ち出すことが急務…なのだが、それが無理なのも分かる。自分が勤めているゴミみたいな中小企業でさえ、派閥争いやいざこざはあって、それを止めることは難しい。様々な利権の絡む政治世界となれば、なおさらだろう。

まり、誰も支持しない与党と何の期待もできない野党によって、この国は運営されるわけだ。終わりは近い。

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