はてなキーワード: 蟲師とは
試写会で見てきたよ。
舞台挨拶もあったが、蒼井優かわいいのな。やはり女優さんだな。和服よかった。
でも蒼井優もオダギリジョーも大森南朋も、みんな口が重い。というか気が重そう。なんか、あまりハッピーな感じではない。
最初は普段からこんな感じの人たちなんだろうと思っていたが、映画見て考えが変わった。
たぶんこれ、出演者には不本意な作品なんではないか。自信持ててないんじゃないか。
だって素直におもしろくないもん。
評価できるとこは世界観とか、よく出てて、神秘的な感じとかね。ああいうのは好きだった。
見入ってしまうシーンもあったんだけどね。役者の演技もよかったと思う。
でも全体的にだめだめ。試写会終わったときの観客の空気もあれれという感じ。
設定が説明不足な感は否めないので(その割に不要なシーンがある)、そこはマンガを読んでないとだめなのかも。
蒼井優が最初で、理解しようとするのではなく、五感で感じてくださいみたいなことを言っていて、ああなるほどねと思った。
そうとしか言えないかもしれない。
ヌルオタのたわごとなので、ツッコミたい方はどうぞ。
少し前に、再びファンタジーが流行るっていう言説をちらちら見たんだけど、「ゲド戦記」があれな感じだったし、「ブレイブストーリー」はそれな感じだった。いや、見てないけど。評判の話ね、評判。
俺には最近の若い衆の感性は分からんけれども、団塊Jr世代としては、正統ファンタジーの世界観…というか、いかにもRPG的な(といえば良いのか?)ファンタジーの世界観みたいなものにはなんか、いい加減、限界を感じるというか、正直、陳腐さしか感じない。
もちろん、欧米の肉を食っている連中が作ったファンタジーにはある程度の説得力がある…「ロードオブザリング」やら、「ハリポタ」やらには。連中の身の丈にあったファンタジーだから、それなりのリアリティの裏づけがある。(でもぶっちゃけあんまりたいしたことないよな、みたいな部分もある)
日本のファンタジーの場合、一般認識として良く知られるようになったのは、ドラクエとかロードスとかゲームからである訳だから、リアリティの部分では、どうにもこうにもならないというか(結局、ベルセルクで一番評価された部分はリアリティだと思う)。さらに言えば、日本の場合、アニメとかマンガがメインストリームだし、リアリティ問題というのはかなり大きいと思ったりとかしていた。(かといって、実写の時代劇を求めているわけではないんだけれども…)
まあ、例外的に、アニメの「蟲師」とか、良い作品もあったけれど、ああいう(後期(笑)の宮崎駿のにおいを感じるような)土着的なアプローチもあるけど、あれは、90年代後半の残滓というべきもので、流行るんだったら、また違うアプローチのファンタジーではないかとは思っていた。
まあ、そんなことを思っていた訳だが。
そんなときに、漫画版「皇国の守護者」とライトノベル「ジョン平と僕と」を読んで衝撃を受けた。
(以下、ちょっとだけネタばれするので、注意!)
まず、「皇国の守護者」だが、従来のファンタジーの枠を超えている作品であることは誰しも認めざるを得ないと思う。まず、舞台は、土星のような輪のある地球とは別の惑星らしい(輪は夜、地上からは光って見えるので、「光帯」と呼ばれている)。で、竜がいる。(弱いながらも)魔法もある。じゃあ、ベタベタのファンタジーか?まったく違う。それらはあくまでも脇役だ。これは戦争の漫画である。具体的に言うと、テクノロジー的には明治維新より少し前(+竜や魔法)のレベルで戦争するのだ(蒸気船が実用化した程度のレベル)。そして、主人公の名前は「新城直衛」中尉(日本人名!)。強大な侵略者はドイツやロシアみたいな名前の人物たち!彼はそいつらを相手に絶望的な戦いをしたたかに切り抜けていく。すごい!燃えるぜ!
もう一方の「ジョン平と僕と」も、ちょっと変わったファンタジーだ。ほとんど、現代日本に近い世界だが、魔法が日常的に使われる世界。まあ、使い魔とか魔法の仕組みの説明とか、お約束があるものの、何よりすごいのは、その「呪文(のシステム)」だ(と思う)。ネタばれになるので書かないけれど、こういう身近な材料を使ったオリジナルの世界観って大事だよな、と再確認させてくれるものだ。で、主人公の重(しげる)少年も一生懸命戦う。もっとも、読後は、失恋に似た味わいがあったが…。
とつらつら書いてきて思ったのは、俺自身のファンタジーのツボというのは、「身近な材料を使ったオリジナルの世界観」の中で、「一生懸命戦う」ことだと思った。「感情移入を阻害しない程度の異化作用の持つ独自ルールの中の世界の中」で、知恵と勇気を振り絞り、ぎりぎりで戦う。彼らの「一生懸命さ」、「ひたむきさ」に心打たれる。マジで泣いてしまった(…年だ)。
今でも、「独自の世界観のファンタジー」が次に来るのではないかという言説が一部であるが、さて、どうなんだろう。来年、どういう作品が出てくるのか楽しみだ。