はてなキーワード: 縁日の達人とは
あくまでも個人的な独断と偏見で下した結論だけれども、先日のアイマス2にまつわる騒動は、詰まるところ「注目されているほど売れないから」という点に集約されるんじゃないかと思ってる。
ゲームを楽しんだり、(ニコニコ動画などの)二次創作作品を楽しんでいる限りにおいては意識され辛いけど、ゲームソフトとしての「アイドルマスター」ってそんなに売れてない。Xbox360で最初に発売された「アイドルマスター」は一年がかりで10万本をやっとこさ到達した。そういう規模のソフトだった。
http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/0801/18/news109.html
まず登壇したバンダイナムコゲームスの鵜之澤伸副社長によると、Xbox 360版「アイドルマスター」は、限定版(7650本)と11月1日に発売した廉価版を含めて10万本のセールスを記録したとのこと。
その次に出た「ライブフォーユー!」も大差ないだろう。さらに次に出たPSP版の「SP」は三種類出て合計約20万本、DS版は約5万本だ。意外と少ないと感じた人は多いと思う。
他のハードで10万本売れたソフトといえば、Wiiでは「縁日の達人」、PS3では「プロ野球スピリッツ5」、NDSでは「仮面ライダーバトル ガンバライド カードバトル大戦」、PSPでは「MAPLUS ポータブルナビ」あたりである。知名度ではダントツでも、ソフトの販売本数という観点から見れば「アイマス」はこのあたりと「同格」なのだ。
さらに、投入するハードウェアがXbox360であるという点も考慮しなければならない。
最近小型化された新型が発売されたこのゲーム機だが、それでも全くと言って良いほど売れてない。
ハードでは9月9日に新型Xbox360(4GB)が発売されたが、販売台数は約700台と静かな出足となっている。新型の販売台数の割合はXbox360全体の2割弱と貢献度は低く、販売水準を引き上げるまでには至っていない。
それでいて700台である。PS3と同価格の通常版もPS3の僅か1/9の2,000台強。はっきり言う。Xbox360はもう日本で浮かぶ目はない。
そんな状況下で、さて「アイマス2」である。どれくらい売れるだろうか。既存のファンの大多数はおそらく購入してくれるだろう。ではさらなるファンの開拓は出来るだろうか。答えは「NO」だと思う。だからおそらく、前作と大差ない販売本数に落ち着くと思う。
となれば、最大10万本を前提にした開発計画を立てなければならない。はっきり言って、出来る事は少ない。
しかしファンの期待は膨らむことはあっても萎むことはない。新要素は「あって当然」と考えているだろう。メーカー側の都合としても、ただ単に既存作品を拡張した程度のものは出したくない、もしくは出せない。だからプレイ要素の取捨選択を迫られる事となる。新しい試みの代償に、既存の要素を切り捨てなければならなくなる。
その結果が一連の「男性キャラ3人の投入」「既存キャラ4人のリストラ(NPC化)」「オンライン対戦廃止」なんだと思う。
今回の騒動、ソフトを投入するハードウェア選定を誤ると、メーカーは当然としてそのソフトのファンも不幸になるという教訓になったんじゃないかなと思う。
また、ハードウェアのシェアの話になると「シェアが低くても面白いソフトが一杯あるから別に構わない」という声が出てくるけれども、今回の騒動はそんな考えに対して一つの答えを提供してくれたんじゃないかな。「ある程度のシェアがなければ、ファンが求める続編を作る事もままならなくなる」と。
特に「アイドルマスター」は、実態の販売本数に対する知名度があまりにも高くなりすぎた(知名度を上げる事は企業努力としては正しい事なんだけれども)。そのアンバランスさが今回の事態を招いたような気もする。
おそらくバンダイナムコが描いた未来は、ニコニコ動画などでネット上の知名度を高め、それらを直接の収益源であるゲームソフトや関連商品(CDやグッズなど)の販売増加につなげていく、そんな感じだったと思う。
しかし、知名度は高まっても(様々な要因があって)ソフトの購入者の増加には繋がらなかった。だから次回作も前作と同程度の販売予測しか立てられなくなった。