はてなキーワード: 児雷也とは
http://anond.hatelabo.jp/20080604215551
それ俺。大学時代の俺。『西洋骨董洋菓子店』ってあるじゃん。よしながふみの出世作。あれをさ、サークル(Notオタ系)後輩の女の子が持ってたんだよね。で、俺に貸してくれたんだ。面白いですよって。お互い漫画好きなのは分かってて、それまで本の貸し借りとかしてたわけ。だから純粋に面白い漫画として読んで欲しいって思った上でのチョイスだったんだろうってことが、今となっては分かる。実際面白かったし。しかし当時の俺は愚かだった。ゲイの出てくる漫画を読む女性イコール腐、そう思ってしまったわけだ。これが腐!噂に聞く腐!ついに獲物に巡り会った珍獣ハンターのように俺は彼女を扱った。野郎同士が絡み合う創作物が三度の飯より好みなんだと。「違いますよ、私は単に漫画が好きなだけで」と否定する彼女は事実をはぐらかしてると思った。カマトトぶってると決めつけた。「またまたご冗談を。で、同人誌なんかも買われるんですか?」又吉イエス先生の言う腹を切るべきとはまさにこのこと。俺は彼女の家には普段貸し借りしている漫画の他に、荒唐無稽な同性愛を扱った本が山ほどあるに違いないと確信してそんな態度に出ていたのだ。彼女の態度が変わらないことに俺が飽きるまで、温厚な彼女は耐えた。
それから数年後、俺はBLと向き合っていた。きっかけは些細なことだったが、ともかく俺は俺が無知だったことに気付いた。彼女を不快にさせていただろうことにも気付いて恐ろしくなった。過去の行いが取り消しになるわけでもないが、俺はせめて彼女がそうではないと否定したBLがどんなものだったのか、知っておかないといけない気になった。BL漫画を読み、BL小説を読んだ。初めの頃は頭がフットーしちゃうよぉ!な気分で書店でBL本をレジの店員に差し出し、薄目を開けて読んだ。さらにBLに関する言説を読み、周辺知識としてジェンダー論やカルチュラルスタディーズに手を出し、コミケというものに行って同人誌も買ってみた。気に入った作家で再販されない本はヤフオクで集めた。間違って児雷也先生の作品に手を出してしまったこともあった。今じゃBLで抜ける。猫田リコなんかいい。
そんな行を積んだけれども、腐女子とかBLとかいうものについては結局のところよく分からない。BL作品やBL言説やBLファンの中には尊敬に値するようなものもあれば、愚にもつかないものもある。好ましいものものもあれば全く受け付けないものもある。ブラックホールのようにタレントを吸い込みながら、ビッグバンのようなスピードで裾野が広がっているという印象だ。
ただ、悟ったことがある。
俺は大学で一人付き合った以外、彼女がいたことがない。話題が何であれ、喋る相手の女性を引かせるかイラッとさせるかキレさせてしまうことが多すぎるせいだ。しかもナチュラルに。
学ぶべきはBLのことじゃなくて、女子とのつきあい方だった。