冷蔵庫をあけてそうめんの束がひとつ、ふたつ
はるがこいしい
窓際に置いたジャムの瓶にそっと触れたがる
日差しがこいしい
空っぽの部屋をはんぶんまで染めて
たまに伸ばす手は少しだけ冷たかった
さくらをつきさして
その下の芽すらおはようと告げていたような
別に誰をすきになったわけでもないこれど
誰をきらったわけでもないけれど
足のかかと、頭のさきっぽ、脊髄、指の先まで
まだまだ求めてしまっている
あのはるがこいしい
Permalink | 記事への反応(0) | 21:20
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