その瞬間、いたいのいたいのは飛ばされた。
ジェットコースターみたいに天と地がぐるぐる入れ替わりながら飛んでいる。
気付けばジャングルの奥深くにいた。
悲鳴のような鳥の鳴き声。
じっとりとした湿っぽい空気。
まただ。
また飛ばされた。
そもそも、なぜ飛ばされなければならないのか。
痛くなったのは誰のせいだ。
呼ばれたから行っただけだ。
なのに飛ばされる。
すぐに飛ばされる。
痛みは悪いことばかりではないだろう。
痛みによって危険を学び、
痛みを乗り越えて強くなるのだ。
痛みがなければどうなる。
血が流れても、骨が折れても気が付かない。
命を失うまで気が付かない。
そうだ。そうじゃないか。
痛むのは生きているということだ。
ああ、また呼ばれた。
どうせ飛ばされるのに。
でも、生きている証として一瞬だけ行ってやろう。
長居はしないように気をつけよう。