うっかりと天候をよく確認せずロードバイクでいつもの週末のルーティンに走り出してしまった。
人と会うより鹿や猿と会うことの方が多い山の中の曲がりくねった林道で天気がどんどんと急変していく。
真っ暗になる、空が近い。
ずいぶん登ってきたのだもの、真っ暗な空が近い。
原始の本能が心の中を不安で満たす。
⚡️光った!
近い近い近い。すぐうえで光ってるように感じる。
土砂降りのなか立て続けに光る。
圧倒的な近さに震え上がる。
出来ることはただ黒い炭素の銀輪を回すことだけ。
自然とは、このようなものなのだな。
ガタガタと震える歯を食いしばりながら、
ふと腰を浮かせて小便を漏らした。
すぐ大雨で洗い流されるだろうが、
それでも家に帰れば丹念に洗車をしなければ。
ツイートシェア