台風は僕の街に仕事に行かなくちゃいけないくらいの大雨を降らせて
ポップコーンみたいに弾けて大きくなった雲と
僕の職場と反対方向にびゅうびゅう吹く風を残して
知らん顔で過ぎ去ってしまった。
いつの間にか夏の光になっていた青い空は出不精の僕には眩しすぎる。
ー久しぶりなんだからもう少し優しくしてくれても良いと思うー
僕はギアを緩めようとすると、チェーンが外れた。
チェーンを直そうと立ち上がると 何がか通り過ぎていった・・・気がした。
畦道を見渡しても誰もいなくて、
吹き抜ける風に背をいっぱいに伸ばした緑の稲穂たちが騒いでいた。
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