まるで世界が眠ってしまったかのような、田舎の深夜の闇しじま、しとしと落ちる雨の音だけを聞いている。
いま落ちたあの雨粒もきっと、誰に見てもらうこともない、暗くさびしい夜の中空を、ひとり健気に旅して来たのだろう。
地面に屋根に草に木に、響き合う雨音は、とけあって再会を喜ぶ彼らの歌声かもしれない。
やがてどこかへ流れゆき、またあの空へ帰っていくのだろう。
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