2016-08-06

沈む

今、目の前に広がる光景に、何の意味もない。

すれ違う人の顔、パンチに欠けた広告、何がいいのかわからない流行ファッション、ありとあらゆる情報を心の中に入り込ませないようにして、

あの日の、あの一瞬を反芻している。

自分の頭の中にあのときの空気を充填しながら、生きながらえている。

あたりは暗くなっていて、

自分がいまどこにいるのかも、もう、おぼつかない。

このまま、沈んでいく。

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