2016-06-10

サナイデクダサイ、タチドマラナイデクダサイ

一列に並んでゆっくり進む。

幼い頃はゆっくり進む列を、時には前の人の背中を押してみたり、時には立ち止まって後ろの人を困られたり、時には背伸びしたり跳び跳ねたりしながら、果てしなく思えたゴールの様子を伺おうと試行錯誤してみたり、ただただ毎日はしゃぎながら前に進んできた。

近頃、老を感じるようになった。

顔も老けた。身体も徐々に言うことを聞かなくなってきている。それに伴って心にも張りが無くなってきた。

この列のゴールはまだ見えないのだけれど、少しずつゴールに近づいているのは分かる。

俯きながら歩くようになった。前の人も俯いている。後ろの人もきっと俯いているだろう。

あの頃みたいに背伸びしたり跳び跳ねたり、はしゃぎながら歩いている人は誰もいない。

昔はゆっくりに思えた流れも、今では息切れするほどに速く感じてしまって少し怖い。

待ってくれ。と言いたくなる。

でも誰も何も言わず、逆らわず、薄ら笑いすら浮かべながら、俯いて歩く。

ゴールが目に見えた時、泣くだろうか。

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