一列に並んでゆっくり進む。
幼い頃はゆっくり進む列を、時には前の人の背中を押してみたり、時には立ち止まって後ろの人を困られたり、時には背伸びしたり跳び跳ねたりしながら、果てしなく思えたゴールの様子を伺おうと試行錯誤してみたり、ただただ毎日はしゃぎながら前に進んできた。
近頃、老を感じるようになった。
顔も老けた。身体も徐々に言うことを聞かなくなってきている。それに伴って心にも張りが無くなってきた。
この列のゴールはまだ見えないのだけれど、少しずつゴールに近づいているのは分かる。
俯きながら歩くようになった。前の人も俯いている。後ろの人もきっと俯いているだろう。
あの頃みたいに背伸びしたり跳び跳ねたり、はしゃぎながら歩いている人は誰もいない。
昔はゆっくりに思えた流れも、今では息切れするほどに速く感じてしまって少し怖い。
待ってくれ。と言いたくなる。
でも誰も何も言わず、逆らわず、薄ら笑いすら浮かべながら、俯いて歩く。
ゴールが目に見えた時、泣くだろうか。