毛抜で髭を抜いて顎をツルツルにするのも好きだけれど、
皮膚に埋没している髭を掘り出すのがやめられない。
鏡で顎を観察して、皮膚の下にうっすら黒い線が見えると、
まち針で、その黒い線を引っ掛けるように掘る。
毛先が皮膚から顔を出すと、なんとも言えない高揚感に包まれて、
その、髭にしてはすこし長い「ヽ」をしばらく観察する。
穴の部分に針を入れ、するする髭をひっぱりだす。
どっちが毛先かな、どれくらい長いのかな、というワクワク感たらない。
今朝発掘されたそれは、15ミリほどの長さがあった。
お前は、どこに向かって成長していたのか、と問う。
ご主人さまの顎から堂々生えているそれを眺め、
えいやっと抜いてからのそれを眺め、満足感に浸る。
しかし、深堀りしすぎて、あるいは汚れやかさぶたを髭と誤認して、
皮膚を傷つけることもしょっちゅうある。
顎はぼろぼろだ。
こんなことはもうやめねば、といつも思う。
でも、やめられない。
半分わかる 毛抜き楽しい ついこないだその楽しさに目覚めて、乳毛を抜いてたんだけど ある日跡が残っていることに気付いてやめた 調べたところ毛抜きには色素沈着と埋もれ毛という...