一
聖天子 風電の御稜威いただき 艨艟 日日に衛る 万里将士 夜夜に因む 海と空。
海原遠く 年を経て 憩もしらぬ 防人よ。
哮る嵐も 犯すなき 醜の御楯の 防人よ。
皇御民の 末ながく 語りつぎ 言ひつぎ行かむ 数限りなき 益良夫の たかき勲ぞ。
二
畏きや 詔かがふり 出でまして 年は移れり 春二つ。
東に西に北南 はた大空に 海底に 善謀勇戦 征けば 必ず勝ち 攻むれば 必ず破る。
たたへむ たたへむ その勲功や 蓋し 神なり たたへむ たたへむ。
三
計らざるに 凶報はいたりぬ 過ぐる 四月の激戦に わが名将は いさましく
人はみな 眼血走り 息をば 呑みつ 心はおもく とざされぬ。
人はみな こぶし固めて 歯をかみならし 胸はおもひに 張りさけぬ。
四
さはさりながら われ等みな 心に問はむ この凶事は 何をか語る 皇国の興廃 ここにかかる。
君が御霊 白き鳥 青きみ空に 天翔り 護り給え われ等みな 撃ちてし止まむ
必ずも 撃ちてし止まむ。