2012-09-02

音と言葉

楽器を弾くことと言葉を喋ることはまあ大体同じだ。

私達は生まれた瞬間から自分の喉を鳴らし音を発する。

まだ慣れない発音のぎこちなさは初めて触った楽器のそれと同じ。

早い子で一歳くらいか言葉を覚え、どうにか自分の出したい音を発せられるようになる。

親に教えてもらった簡単な言葉だ。

楽器一年やればどうにかコピー曲を何曲かは弾けるようになる。

その後も毎日鍛錬を重ね、様々な新しい音と言葉を覚えていく。

大体10年くらい経てば自分言葉で上手く伝えられるようになる。

だがまだまだ語彙は少ないし、誰かの言葉鵜呑みにすることも多い。

このくらいからがその後の楽器との付き合いを決める分岐点になるのではないかと思う。

自分の中にあるもの楽器を使って伝えられるようになると面白さも数段変わる。

でも結局それが誰にとっても何の価値もないことならば、哀しいがそれまでなのだ

こればかりはどうしようもないように思う。

言葉を覚えることは、嬉しくもあり、哀しくもある。

楽器自分でも気づかないような内面を表出させる。

言葉は嘘をつく。

だが音で嘘を付くことの難しいこと。

それ故私達は楽器に惹かれるのかも知れない。

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