2011-01-15

芸と強さということについての考察

お笑い芸人水道橋博士が、何かの番組で、「面白いということは、強さなんだ」ということを言っていた。

つまり、強いということが、面白いことであるという。

この強い(強さ)とは何か。

それは、私は純粋な狂気であると思う。

例えば水道橋博士師匠であるビートたけしの芸には強さがあり、それは内在する純粋な狂気がもたらしている。

そしてその狂気は、タレントとは別の北野武としての映画作品により顕著に露呈している。

一方、最近の新しいお笑い芸人、あるいは創作者一般でもいいが、この強さ=面白さという要素が弱化してきている。

それはなぜか。

しい世代には、古い世代の持っていた純粋な狂気が不在しているからであり、それにかわってイノセンスが補填的な力として代用されているからではないか

イノセンスとはピュアさであり、素直さでもあり、また己の弱者性ということでもある。

そのようなイノセンス的な芸というものは、フレーム破壊したり、新しく一から構築するといった力はなく、あくまでも従来のフレーム踏襲したものであるにすぎないことが多い。

けっきょく、イノセンスというのはそれそのものが甘美なものであるから、そこから目新しくて力強い面白さが発揮されることはないといっていい。

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