2010-09-07

異性の親友結婚することになった

「彼に…プロポーズされたんだ」

都内の居酒屋カウンター席。お酒一口つけた後、Mはぼそりと言った。

僕は素直に「おめでとう、嬉しいことじゃない」と答えたが、彼女の口からは不安や戸惑が滝のように流れてくる。

仕事を初めてまだ2,3年しか経ってないのに辞めることになるかもしれないのは…」とか

「彼のことは好きだけど、不満は沢山あるし、踏み切る勇気がない」とか

「せっかく若いのにぜんぜん遊べていない気がする」とか。

終いにはこんなことまで言い出した。

「私、浮気がしたい。」



Mとの出会いは大学1年生の春。

サークルが一緒だったという繋がりから

マンガ音楽など趣味の話で盛り上がり、いつの間にかいつも一緒にいる仲になった。

授業中メールのやり取りもした。お互いのブログコメントを残しまくった。

メッセンジャーで夜を徹して語り合った。

非リアだった自分にとっては初めての女の子の友達だった。

ある時サークルの練習帰りの時に彼女はボソリと言った。「彼氏ができたんだ」と。

Mは仲良くしている男友達に純粋に喜んでもらいたかったに違いない。

うれしそうに惚気ようとするMに向かって僕は無意識につぶやいていた。

「なんか…悔しいな」と。

そこからお互い気まずくなって会話することが減っていった。

Mは授業が忙しくなったりで練習の参加率も減っていく。

せっかく仲良かったのに…と残念がっていたそんな時、

サークル内でMに対しての陰口が始まった。

練習になかなか来ないMに対してメンバーが文句を言ってるうちに

それがだんだん性格をけなすようなものになっていってしまった。

極端ないじめというようなものではなかったが、気の弱いMの心を傷つけるには十分すぎるものだった。

僕は無我夢中でMの味方をした。

文句が終息するのには時間がかかったけれども、

このイベントがきっかけで僕らはまたこれまでのように仲良くなる。



あれから4年。

大学卒業して当時の友達もどんどん会わなくなり、人間関係が少しずつ狭まっていく中

Mとは今でも数カ月に1度は2人で飲む様になっていた。

馬鹿な話をしたり、他人の恋路の噂話をしたり。

適当な事を楽しく話していたそんな中出てきたMの結婚話。

心の底に複雑な気持ちを抱えながらもそれを隠すように笑顔で励ます。

居酒屋を出ると家路につくサラリーマンも殆どもういなく、

高層ビル夜景が夏の夜を一際輝かせる。

電車に乗って帰ろうとするMを気づいた時には僕は引き止めていた。

「少し2人で外歩こうよ」

さっきまで「明日早いから…」とさっさと帰ろうとしていたMだが

文句の一つもなく僕についてきた。

そっからは本当にたわいもない話をしながら歩いた。

歩きながらたまに触れ合う手の甲がくすぐったい。

夜のビル街を歩きながらもMは言った。

「私と浮気してくれる人なんていないのかな…」と。

この段階でなんとなく感じるものはもうあったが、僕は何も言わずただその愚痴を聞きながら笑うだけだった。

特に何かをするわけでもなく、蛍の光が館内に響く中を2人でのんびり歩く。

「これでいいんだ、これでいいんだ」と言い聞かせながら。

しかし今はとてつもなく後悔している。

「僕と浮気しよう」と言ってMの手を握ってやればよかった。

そのままどっか遠いところに連れ去ってしまってもよかった。

ずっと友達でいようと心に決めたはずなのに、今になって出てくるのは後悔の念ばかり。

本当にチキンなんだな…と心の底から実感した。

帰りの電車の中でメールを受信する。

「君に幸ありますように」

少しだけ泣きそうになりながら僕も返信。

「彼と末永く幸せに」


家に向かう終電の中、Mの大好きだと言っていたスピッツの「アパート」を聴きながら家に向かう。

ああ、恋をしていたのは僕の方だったんだなと思い返しながら。

  • お前最低だな。 気の弱い彼女のなけなしの勇気を踏み躙って保身を選んだだけなのに何感傷に浸ってんの?

  • 逆NTRフラグ折りましたーざんねーん! っていうかまぁ現実として考えると、いい思い出になると思うよ。 ここで寝てたら恐らく後からすっごい後悔する。 寝ても彼女と付き合えるわけ...

  • ~10年後~ あの時浮気をしてくれなくて本当に感謝してます

  • お前いい男レベル一個上がったぜ!

  • 踏みとどまっておいて正解だったと思う。 もし浮気していたら、後々とても後悔するだろう。

  • 時をやり直せない以上、何が良かったかなんて、どんなに時間がたとうとも、結局誰にもわかりはしない。 ならば、「これが僕の決断だ。だから僕は絶対に後悔しない」と心に決めるし...

  • てか、結婚決まってるのに「マリッジブルー」でこれか。 女って心底ビッチ体質なんだな。

  • せめてMが誰かと付き合っている間にその手を握ればよかったのに、君はそれをやらなかったのはなぜ? 自省して次はいい恋を。

  • どっちが正しい答えかなんてわかんないんだぜ!

  • なんかお前気持ち悪い。 吐き気がする。 よくこんな醜悪なナルシシズムの塊みたいなのを書けるな。

  • やったこともやらずに送った事もどっちもあるけど、意外と当の女性本人は、 相手がその時どっちの選択肢を取ったとしても、その後さばさばしてるもんだよ やらなかった時の思い出は...

  • 元増田が恋をしたのは、 結婚を前にしたマリッジブルーを理由に 浮気をして平気な彼女だったのか。 まあ、後悔してるんだからYESなんだろうけど (そうじゃなかったら、至極真っ当...

    • 特にそいつしか男性を知らないとかそういう場合。 不安になるんだろうけどさ、 俺が知ってるケースは、 高校からずっとつきあってる幼馴染と結婚しそうになってる女と、 できちゃっ...

      • 生理的嫌悪感を催した。 行く末は学校の守衛にでもついて、若い学生の行動をやましい目でチェックしてノートに書き綴ってそう。

    • misty7ginkgo 男女, 友情, 恋愛 揺れ動く情念と、その結末のお話。この女性は確かにずるい部分もあるが、この話で「これだから女は」的な発言をしている人は恋愛をしたことがないのかな...

  • 「彼に…プロポーズされたんだ」 何時もの部屋。僕が差し出した麦茶を一口つけた後、Mはぼそりと言った。 僕は素直に「おめでとう、嬉しいことじゃない」と答えたが、彼女の口から...

  • 普通にマリッジブルーの話だね。 結婚前の女性なら普通に起きることなんで、浮気がうんぬんと神経質に語っている増田は なんて心がピュアなんだろうと思う。 似たような事が以前あ...

  • 草食系だなんだと言いつつ「据え膳食わぬは~」云々の考え方をしている奴が多いんだな。 親友だから非難は出来ないだろうけど浮気願望の話してきたら、「そんなこと考えちゃいけな...

    • 処女厨乙。 男からすれば胸糞悪いかもしれないけど、女性から見るとこんな時は黙って受け入れて欲しいと思うんだけどな。

      • 横だが、流石にそれはビッチ乙と言わざるを得ない。 勿論乙にはお礼の意味も込めてある。

      • 自分で踏み出せないからって相手に丸投げしているだけじゃないか。 そんなんだから女マンドクセって言われることに気付いた方がいい。

    • 元増田は草食系じゃなくて単なる非モテ非リアでしょ? 今までお肉に憧れてたけど手が出せなかった所に、 「他の人の食べかけだけど、食べる?」 って、お肉が転がってきたのを、悩...

      • 元増田は草食系じゃなくて単なる非モテ非リアでしょ? そんな奴に異性の親友がいるとは思えないけどな。 「他の人の食べかけだけど、食べる?」 って、お肉が転がってきたのを...

  • いろんな小説のうわっすべりの真似ばかりを重ねた吐き気がするような駄文の例としてブクマしておく。

  • 断る力が以前、流行していました。多くの人があのポーズで、多くのことを断った結果どうなったでしょうか。確かに、自分にとって最も効率的で生産性の高い環境作りをするためには...

  • それでいいの? 終わっていいの? や、もうその親友のMさんが結婚しちまったならともかく、 まだ間に合うんちゃうの? このこと、増田の中で一生残りそうな気がする。今引いたら...

  • 君の行動は正しい。 絶対に正しい。 そこで浮気していたらその素敵な恋心はただの下衆なスケベ心でしかなかったことになる。 それでいいんだ。

  • http://anond.hatelabo.jp/20100907014003 漏れなく戴いておくにかぎる。俺は今までそうしてきた、どうせこんな日記書いてるヤツもその友達もモテないんだから、楽しんでおけよと。

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