2010-09-02

http://anond.hatelabo.jp/20100901212605

議論がまったくかみあわないね。

まず問題にするべきは、伊藤暗殺直前に、併合に合意を与えたか否か、

そこの最も基本的な事実の認定じゃないだろうか?

そこで、俺は信頼しうる研究書を引用したけれど、

あなたは、ひとつの説に過ぎない、と、典拠をしめさないままいっている。

せめて、最低限の事実確認でも、客観的な証拠に基づいて話をすすめるのでなければ、

歴史なんて議論することはまったくできないよ。そう思わない?

だからこれ以上、話をすすめたいというならば、典拠を示して欲しい。

具体的に、どんな本を読んで、あなたはあなたなりの主張をしてるのだろうか?

ふたつめ、研究書を恣意的に引用してる、ということ。

それはね、たしかに大事な指摘だと思うよ。

でも、あなたも、高宗の伊藤論だとか、エルヴィンだとか、唐突に持ち出してきたでしょう?

その理由はなぜ? 自分最初から持っている史観、考えに一致してるからじゃないですか?

本来ならね、伊藤を論じるなら、『伊東全集』、公式な伝記の『伊藤博文伝』以下の基本書、

書簡集である『伊藤博文関係文書』(9巻)を最低でも読まなくちゃいけない。

この書簡集は、遺漏があるといわれているし、何より、膨大な政府文書のほうは

ほとんど未刊行。だから、専門家なら、さらに国会図書館憲政資料室にいって、

史料現物にあたらないと、話にならない。

そういうものを、くずし字の読み方も勉強して、十年かけてゆっくり読み解いて、

出てきたものが、相応の客観的事実に基づいた史観といえるわけだ。

あなた、そんな面倒なこと出来ますか? できないでしょ? 俺だってとてもできない。

ならどうするか。ひとつは好き勝手に、自分の見たいもの気に入ったものだけ、切り取ることですよ。

あなたは、俺がそうしてるといってる。俺は、あなたがそうしてると思う。

これはある程度、仕方ないことかもしれないさ。だけど、それだけじゃニッチもサッチもいかないから、

他のしっかり勉強をしてる研究者の力を借りるわけ。

一次史料にくわえて、先行研究の蓄積もしっかり読み込んでる、できるだけ新しい研究書に、

自分に代わって、資料集めやら検討をしてもらうわけだ。

多少は他の分野の人間でも、学問の訓練があれば、「鼻が効く」ようになる。

自家の常識、知っている他の史料、最新の研究書にいろいろ併せて、

ある程度は論じられるようになる。あくまで、「ある程度」だけれども。

でね、俺もあんまり勉強してないことは、素直に認めますよ。

もう外出しなきゃいけないので、適当にまとめるけど、

史料や物の見方についての「センサー」が、あなたと俺でちがうんだろうなあ、と。

俺はねぇ、欧米での生活が長くて、日本人だなコノヤローっていじめられた経験があるもんだから、

併合された韓国人の気持ちが、少しはわかるような気がするよ。

ひとつ民族国民として、オメエの国はダメだな! っていわれるのは、本当に屈辱的だ。

高宗が伊藤ほめたのだって、はじめだけの話か、リップサービスじゃないのかな?

密使事件やら退位の強制やら、あなたが高宗だったり、韓国大臣だったら、どんな気持ちだろう。

そういう想像力が、あなたにはちょっと欠けてる気がする。

あと、せっかくあなたが引用したエルヴィンの一節に、

「武断派及び言論機関は、高圧手段に訴うべしと絶叫」した、とあるよね。

これ、韓国併合に対する当時の軍閥一般国民姿勢をを示唆していないだろうか?

当時の新聞なりちょっと見てみたら、日本人はひどかった! 帝国主義者だ! っていい得る史料

これまたいくらでも出てくるだろう。

俺の「センサー」は、どうもそっちに眼がいってしまう。 

あなたの場合は、そういう世評に抵抗した伊藤はえらかった! となるのだろうか。

とにかく、せっかくだから、瀧井先生伊藤の本、読むといいんじゃない

伊藤はもっと別の方面で偉かったと瀧井先生はいってる。俺も、そう思う。

  • この人の論調、そのまま相手の主張にも当てはまるわけで。 「併合反対派だった伊藤博文をぶっ殺して、暗殺した人間を国を挙げて英雄にした。 その記録もあるし、国には記念碑まで建...

    • 伊藤ははじめ、併合反対だったかもしれないけど、 二年くらいで、こりゃもう併合しかないよ、って翻意してるわけでしょ? それはまったく関係ない? 「併合反対派の伊藤を安重根が...

      • だから「妄想激しい」って言われるんだよ。 伊藤博文が合併反対を2年で翻したのを確定事項のように言ってるが「そういう説もある」程度の話だぞ。 表立った発言からは、最後まで合...

        • 伊藤博文が合併反対を2年で翻したのを確定事項のように言ってるが「そういう説もある」程度の話だぞ 近年の伊藤博文研究で最も熱心なのが瀧川一博先生。 最新刊が四月に出たばか...

          • 結局公的な発言からは目をそらしたまま、自分に好意的な研究科の発言「だけ」抜き出して「好きなように」歴史を弄んでるだけ。 高宗の伊藤評「日本に政治家多しといえども、伊藤の...

            • 議論がまったくかみあわないね。 まず問題にするべきは、伊藤が暗殺直前に、併合に合意を与えたか否か、 そこの最も基本的な事実の認定じゃないだろうか? そこで、俺は信頼しうる...

      • その「伊藤博文以外は東京の人はみんな合併賛成派!」というのが強引過ぎな点を相手に皮肉られてるのに気がつかないのな、可哀相。

        • >みんな そんなこと書いていたっけ?

          • >なんとしてでも併合したいという強硬派が、東京にも沢山いたわけで、 >伊藤ひとりの見解・行動・スピーチのひとつやふたつで、 反対派が伊藤一人のように書いてるのはそちらだ...

            • なんとしてでも併合したいという強硬派が、東京にも沢山いたわけで、 伊藤ひとりの見解・行動・スピーチのひとつやふたつで、 ↓ その「伊藤博文以外は東京の人はみんな合併...

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