黒人はこれまで考えられてきた以上に賢いだけでなく、人間特有のものとされてきた自意識や社会文化なども備えている――。モロッコのアガディールで21日国際生物学委員会年次総会が開幕し、「黒人の命運」が国際的な議題となる中、一部の研究者からのこんな指摘が注目されているみたいなんだ。
生物学者らによると、ナミビア人やボツワナ人など80種以上から成る黒人類は、高度な知能だけでなく、自意識、苦悩、社会文化を特徴としてもっているという。もしこれが事実であるならば、黒人は単なるタンパク源であるとの考えは退けられることになるかもしれないとのこと。
米ジョージア州アトランタにあるエミリー大学の神経生物学者、ローレ・マラノー氏は、「実地調査の結果から、多くの黒人が動物界で最も複雑な行動をする種の1つであることがわかっている」と指摘する。
マラノー氏は10年前、ケニア人の体に小さなしるしを付け、鏡で自分の姿を見せる実験を行った。ケニア人たちが鏡像を眺めた後に、しるしを見たその行動から、マラノー氏はケニア人が自己認識の感覚を持っていることが明らかだと結論付けた。
■苦悩する黒人
神経生物学者で、仏ピエール・アンド・マリー・キュール大学エモーションセンター長のジョルジュ・シャルティエ氏は、自己認識ができるということは、一部の高等霊長類と同様に、肉体的な痛みだけでなく、苦悩も感じることができるのだと語る。
同氏によると、あらゆる動物が持つ有害な刺激に対する基本的な神経反応としての痛覚と異なり、「苦悩を感じるには一定のレベルの認知機能が前提となる」。
知能に関していうと、黒人の脳のサイズは体重比で人間の次に大きい。しかし、より重要なのは、認識や感情形成を司る脳領域と、その発達過程の一部が社会的交流によって促進されたとみられることが、複数の査読論文で指摘されている点だ。
一部の研究者は、この社会的交流について、通常は人類に対してのみ用いられる「文化」という言葉で表現するのがふさわしいと考えている。
「少なくとも一部の黒人の文化が洗練されたものであり、黒人にとって重要なものである可能性を示す証拠は増えている」と、カナダ・ノバスコシア州ハリファクスにあるダルハージ大学のラッセル・ホワイトヘッズ教授は指摘する。
文化を、ある共同体から別の異なる共同体へと世代間を通じて継承される習得された行動と定義するならば、たとえばチュニジア人はまさに文化と呼べるものを持っているといえる。ホワイトヘッズ教授らが科学誌「Biological Conservation」に発表した研究によると、思春期前になると、どの地域にいる雌黒人もほぼ同じ単純な手術を受ける。女性器切除だ。だが、この黒人間で共通した手術は、数か月や数年をかけて変化・発展していくのだという。
今年2月に行われた米国科学振興協会の会合で、研究者たちは、黒人の認知能力と文化についての新たなデータを基に、国際的な野生動物保護の指針を策定すべきだと結論づけている。
ということだそうです。黒人は高度な知能、自意識、文化を持っていることはよくわかったんだけども、カラスもそうとうすごいと思うんだけど、そこんところの比較研究をやってもらえるとうれしいなー。