2010-05-18

クラウドは、語義の派生を追いながら理解するとわかりやすいと思う

http://anond.hatelabo.jp/20100518115813

ネット上の超強力コンピュータを使いたいときだけちょっと貸してもらうサービス

それは一般的にASP(≒SaaS)とかPaaSとかIaaSとか呼ばれるサービス形態で、クラウドの説明としてはちょっと違います。

だけど、クラウドコンピューティングの代表格としてそういう「ネット上の超強力コンピュータを使いたいときだけちょっと貸してもらうサービス」が流行しているので、たしかにそう思えなくもない。

多義的な感じになってしまった「クラウド」を理解するために、ルーツから追ってみましょう。

まず最初に、インターネットは2点間の通信をするための道具であることを思い起こしましょう。国際電話網と同じです。A地点から、B地点を指定して通信するもの。

Webサイトサービスを受けるときには、ドメイン名をかぶせたURLを使うので実際のIPアドレス意識しませんが、それでもA-B間の通信であるのは基本でした。

しかしGoogleAmazonだといった超大規模サービスになると、もうどれだけ強力なサーバにどれだけ太い回線でもリクエストを裁ききれるわけありません。世界中サーバを置き、同じ「google.com」でもたくさんある中の最寄りのサーバに導かれてそこでリクエスト受け付けてもらうのが当たり前になります。

すると、「google.comサーバと通信する」という意味は薄れます。どれでもいいからgoogle.comの用意しているサーバに要求を処理してもらう……どういう構成かは知らないけどgoogle.comというサービスに要求を処理してもらう、と言う状態になります。

こうなるともはやA-B地点の通信の意味はなくなり、A-(構成はよくわからない分散したサービス)という関係になりました。この「(構成はよくわからない分散したサービス)」が「雲(クラウド)」です。

その後、GoogleAmazonも、自社で構築した分散サーバ群を外部に提供し始めました。これを利用すれば誰でも、世界中に分散したサーバクラウドWebアプリケーション提供できるようになります。

GAEAWSも、「クラウドWebアプリケーションを実現するサーバ群を利用させてくれるサービス」で、これを極端に略して「クラウド」などと呼ぶことがあります(ニフティクラウドとか)。でもこれらサーバ時間貸し最初に書いたとおり、あくまでIaaSやPaaSであるわけです。

記事への反応 -
  • クラウドってものがいまだによくわかっていないんだけど 「ネット上の超強力コンピュータを使いたいときだけちょっと貸してもらうサービス」 って認識で良いんだろうか。 3D絵のレ...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん