2010-05-11

友人

かつて僕の恋人を巡りいろいろあって、友人関係を解消した人がいる。彼が僕の(元)恋人に手を出したわけでは全然なくて、彼はどちらかと言えば、僕を支えてくれる立場だった。簡単に言えば、僕の(元)恋人は別の男を見つけて結婚したらしいのだが、僕の友人はその彼女に会いにいった、というのが僕の気に入る話ではなかった。ただ旅行ついでに会いにいっただけなら、まぁよかったのだろうけれど、どうやら彼女の父親の工場と何らかの仕事の話があったらしい。

仕事となれば、口数の少ない彼にしても、何か話さなければならない。ビジネスとはいえ知り合ったきっかけが、僕の(元)恋人とあれば、彼女の話は端々に伝わってくるだろう。その一方、僕は彼女がどうやって暮らしているのか、ソーシャルメディアを通じて知ることは出来るけれど、見聞きしないように努力しなければ行けなかった。さもなくば僕の自我はどうやっても維持することはできなかった。そこに新たな情報流入口を開けるのは得策ではない。それに彼にしてみても、僕ら二人の板挟みに会うのは辛かろう。というわけで、僕はほぼ全ての連絡をたった。特に僕のソーシャルメディアでは block した。それが僕に出来た一番良い方法だと、今でも思っている。

彼は実は一度結婚に失敗している。彼は幼年期にどうも両親にコンプレックスがあり、それに影響を受けていたようだった、と彼の元配偶者からやんわり聞いていた。彼の両親は離婚こそしていないけれど、別居状態が長らく続き、父親は酒飲みで暴力的で家に居たことがない、母親精神科医でやはり長らく家に居なかったとか。ま、僕は彼からその元配偶者がいかなる浪費妻であったか聞かされていたので、それ自体は悲しいことであったとしても、二人は長らく続くべきでなかったという結論には同意していた。

とあるきっかけで、僕の別の友人から、彼が結婚したらしい、と今日、聞いた。僕は正直驚いた。彼は長らく独身貴族を続けていた(らしい)し、結婚なんてもうこりごりだ、と吹聴していた彼をよく見ていたから。しかし今の僕となっては、彼に語りかける言葉チャンネルもない。どうせ結婚式などしないだろうし、しても呼ばれないだろう。だからここで匿名のまま呼びかけたい。今度こそはうまく行くといいね。結婚おめでとう。

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