2010-03-03

日銀引き受けについての誤解

http://agora-web.jp/archives/946893.html

市場はどう動くだろうか。国会決議が行なわれる見通しになった段階で、国債が売られて暴落し、入札が成り立たない事態も考えられる。

戦前日銀引き受けでは長期金利は上がらなかったし、ちょっと前の量的緩和日銀国債保有を増やしたときも暴落は起こらなかった。日銀引き受けが大量に行われるということは市場に売り出される国債が激減することを意味する。決議がされそうだからといってすぐに他の運用先が出てくるわけでもないのに、国債を売ったところで無利子の現金を保有する事になってますます損するだけ。

通常のインフレ貨幣的現象だからマネタリーベースを絞ることで抑制できるが、中南米でよく起こるハイパーインフレは、サージェントも指摘するように政府中央銀行の信用が失われることによる財政的現象なので、信用を失った日銀インフレを止めることはできない。

その中南米でもインフレ目標導入後はハイパーインフレも止まり、マイルドインフレが続いてるのが現実

国債暴落すると、それを300兆円以上保有している邦銀は莫大な含み損を抱える。邦銀も最初は買い支えるが、支えきれなくなったら、含み損を避けるために売り逃げるだろう。彼らは横並びで動くので、売り始めたら国債はさらに暴落する。たとえば10年物国債金利が(史上最高水準の)8%になると、額面利率1.2%の既発債の価格は62円になり、全体で110兆円以上の損失が出る。これは90年代不良債権の純損失を上回り、邦銀のほとんどが破綻するだろう。

300兆以上という数字がどこから出てきたのかわからないが、邦銀の保有は100兆ぐらい。郵貯をあわせても300兆に届かない。しかも保有している国債のすべてが10年物とかの長期国債ではないし、長期国債を持ってるのは日銀年金など公的機関の比率が多く民間金融機関のほうが短期国債の比率が高いので、仮に長期金利が8%になっても100兆を超えるような損失は出ない。インフレ率が上がるときは株や外貨不動産も値上がりするのでそれを考慮すればもっと損失は小さいどころか大きな利益がでることすらありうる。

こうした事態が予見された段階で取り付けが起き、2008年欧米のような状態になろう。欧米より悪いのは、財政破綻しているため、政府銀行を救済できない点だ。

上記のようにそもそもインフレ金融機関のような借金持ちが損するというのがおかしいが、高いインフレ率になるような時期に銀行からおろしてタンス預金したがる馬鹿はまずいないので取り付けもおきない。

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