2009-05-31

リア充1000年王国の実現

「わたしはあなたがたにリア充を教えよう

非モテは克服されなければならない或物なのだ。

あなたがたは非モテを克服するために、何をしたというのか?」

***

高校時代の同級生(男)から、部活の後輩女子が結婚したと聞いた。

文化部で、おっとりしていて優しい雰囲気の女子が多い部活だった。

「みんな後に続いてどんどん結婚するんだろうな」

と言ってから、俺は思わず付け加えた。

「女子は」

文化部男子は、先輩も後輩もみんな独身で、

それどころか彼女すらいなかったりする。

その文化部周辺に限らず、俺の周囲では女性ばかり結婚していて、

男性は年々孤独を極めるばかりだった。

日本全体の男女比は大体1:1なので、

いずれは結婚できる男性が枯渇し、

本来結婚できるはずの女性が大量に余ることになるだろう。

男性が余るのは仕方ないとして、女性もったいない

一夫多妻制にでもしないと国家存亡の危機だなあ」

「滅んでしまえ」

「まあどちらにしろ、俺たちみたいなのは滅ぶよな」

「うむ」

***

俺たちみたいなのが滅んだ後の世界を何となく想像してみる。

そこにはもはや、非モテ非コミュ存在しないだろう。

健全思想を持った健全な男女が

お互い健全な愛を交わして

健全子供を産む世界

そう、今はそんな理想社会に移り変わるための、一時的な痛みに過ぎない。

いわゆる、痛みを伴う構造改革なのだ。

***

非モテ非コミュであることにも利点があるような事が

かつて言われていた。今もすこし言われている。

だがそれは、戦争が作り出した一種の既得権・幻影であるに違いない。

健全な男たちはみんな戦争で殺された。

生き残ったのは兵隊にもなれないような軟弱者ばかりで、

戦後社会にはそういった連中がなし崩し的に居座るようになった。

非モテ非コミュ礼賛は、

そんな連中が作り上げた一種の既得権であり、

幻影だったのだ。

いま、半世紀を超える平和を享受してようやく、

日本はその幻影から解放されようとしている。

非モテ非コミュたちは淘汰され、リア充が生き残る、

そういう正常な世界が戻ってきたのだ。

***

このまま平和世界が続けば、非モテ非コミュは順調に淘汰され、

やがてリア充の1000年王国が地上に実現するだろう。

その進歩を早めるためにも、一夫多妻制は復活されるべきだ。

もちろん、現在人権意識に合わせて表向きは「多夫多妻制」と喧伝されるだろう。

しかし、実際上は一夫多妻制になるはずだ。

なぜなら、不足しているのは健全男性だからだ。

健全男性の少なさ、そして法整備の遅れのために、

魅力ある健全女性が何万人も不倫に走っている。

そして、社会的に圧殺され、授かった子供を泣く泣く殺し、

心を病んで、自殺を選ぶ人すら少なくないらしい。

これは、1000年王国実現の暁には、

非モテ非コミュ既得権による暴虐として、

同じ過ちを繰り返さないように語り継がれるだろう。

滅びていく非モテ非コミュたちはどうするか?

それは、黙って、むしろ喜んで滅びてもらうほかないだろう。

リア充1000年王国の実現を夢見ながら――。

***

「わたしが愛するのは、おのれの没落し、犠牲となる理由を、

星空のかなたに求めることをしないで、いつか大地がリア充のものとなるように

大地に身を捧げる人たちである。」

「わたしが愛するのは、リア充のために家を建て、

リア充のために大地と動物植物を準備しようと働き、工夫する者である。

なぜなら、こうしてかれはおのれの没落を欲するのだから。」

「わたしが愛するのは、人間たちのうえにかかっている暗雲から、

一しずくずつ落ちてくる重い雨滴のような人々である。

かれらは稲妻がくることを告知し、告知者として破滅するのである。

 見よ、わたしは稲妻の告知者であり、雲から落ちる重い雨滴である。

そして、この稲妻の名こそリア充なのだ。」

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