http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090315-00000852-reu-bus_all
どうやら、成長する事は権利であり、規定事実とされてしまっているようである。
グローバリゼーションとは、金融的には、米ドル建てでの信用の過剰発行でしかない。
そのおかげで、本来、自力では成長できない後進国ですら成長できた。しかし、権利は主張するが義務は回避するという、とても人間的な行動により、後進国に工業技術を与えるわけにはいかないし、地下資源国や中国は、素直に貿易黒字を溜め込んで米国債を買っていればよかったのに、ユーロやポンドに分散投資をした。基軸通貨体制が揺らぎ始め、慌ててグローバリゼーションを止めたら、世界の景気がストップしてしまった。ストップすると、過剰に供給されてしまった米ドルの価値を支えきれなくなり、恐慌が始まってしまった。
日本の貿易黒字を叩く為にグローバリゼーションをやる、産油国と中国に貿易黒字が発生するという所までは予想されていたが、産油国や中国は日本ほど理性的ではなかった。地下資源国の大部分は反米であるし、中国は自己中心な中華思想の本家である。それらが日本と同じように黙って米国債を買い続けて米ドルの基軸通貨体制を支えるわけが無いのに、アメリカの民主党は、日本よりも信頼できるパートナーであり、支えてくれると信じてしまったわけである。信じた方が悪いのか、信じさせた方が悪いのかについては、論評しない。イスラムや中国の道徳では、騙す方よりも騙される方が悪いとされており、彼らの行動は、彼ら自身の道徳においては善だからである。
で、G20で、成長が回復するまであらゆる必要な行動を取るという合意ができたという事であるが、その行動の中に、中国や産油国を相手に戦争を始めて、それらの国家の貿易黒字や過剰になっている生産能力を破壊するというプランは含まれているのであろうか。
先進国の生活を味わってしまった人々や国家に、それをあきらめさせる事は難しい。生活だけでなく、道徳や理性まで先進国並になってくれない限り、成長させるわけには行かないのだが、その為の具体的な行動は、含まれているのであろうか。
義務は可能な限りサボり、権利は可能な限り主張して獲得するというのは、とても人間的な行動であるが、社会全体がそれでは成長できないという事に気が付かない限り、経済成長はありえない。そして、今更それに気がついて行動を改めようとしても、すでに恐慌が始まってしまっている以上、落とし前をつけるには、相応の血が流されなければ手打ちはありえないのである。
日本としては、大戦に巻き込まれる前に、小規模でコントロール可能な戦争で実績を作って勝ち組逃げ切りを目指すというのが、戦後の復興において負け組を市場として銭儲けをする手段としてはお勧めである。