2009-02-20

ブックマーカーは観察者であるべきか、行為者であるべきか

 そのブクマコメントは,多くのブックマーカーの方からはスターで高く評価していただいたし,ブクマコメントの正しさも間もなくブログの信用低下という結果を伴って証明された。それでよかったといえばよかったのだが,ブログ読者の中でも著者の意見に同意する方,さらにはブログ著者の方からは猛烈な反発を浴びた。「バカ」とか「死ね」といったコメントを許すのかどうかについてはてなの事務局に質問状を送られたし,「ネット右翼メッカ2ちゃんねるだったとすれば、ネットイナゴが集まるのは「はてなブックマーク」だ」と露骨に言われもした。

 実は知り合いのあるブロガーからもこのブックマークコメントのおかげでこっぴどく怒られたのである。ブログ業界の成長に水を差すというのが,その理由だった。「ブックマーカーたちには良識のあるコメントを残してブログ産業を育成する責務がある。このようなネガティブブクマコメントはせっかく加熱してきたブロガーの意欲を削ぐものだ」と。

 そのブロガーは,ブックマーカーは行為者であるべきで,観察者ではダメなのだという。「目の前に弱小ブロガーがいるとするだろ。見ると,どうも読者の獲得を諦めようとしている。それを見て『どうも何を言おうとしているのかさっぱりわからないですねぇ』なんて書いてどんな意味があるんだ。何とか読者を増やそうとするのがブックマーカー仕事じゃないか」と説教されたものである。

 「行為者か観察者か」という問題に関しては,あまりにブロガーブックマーカー意見が違うので,機会あるごとにブロガーブックマーカーの方にこの話題を吹っかけてみた。けれど,どちらかが圧倒的多数ということでもなく,「そんなこと考えてみたこともない」という方も少なからずおられ,結局は自分で決めるしかないことなのかと考えるに至った。

 だから,勝手に「観察者」の方に決めた。いろいろ怖いことがあるけれど,ブックマークコメントには「本当のことを書こう」と決心したのである。まあそれは外向きの体裁のよい言い方,実は小心ものなので,ブロガー達からの視線より,行為者になるということの方が怖かったのかもしれない。行為には責任が伴う。その恐怖を乗り越えさせる力が「正義」などというものにはあるのだと思う。けれど,その正しさは,当人にとっては明々白々であっても,ほかの者にとってはまったくそうではない。


(改変元)本当のことを言う:ITpro

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090212/324601/

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