「渡された仕様書を実装する・・・」
http://satoshi.blogs.com/life/2007/10/post-4.html
など、日本のソフトウェア系開発の問題点を指摘したエントリをよく目にするようになった。
何でも、上記のようないわゆる「外注」「孫請け」的な開発手法は日本の特徴なんだとか。
上記エントリの趣旨とはずれるが、ほとんどが「やはりいいものを作るには自社開発
(というより、エンジニアとプランナーとデザイナーとマーケティングとプロジェクト・マネージャーと
その他諸々の人が常に対等に議論を交わして、ひとつのものを作り上げていく)
がよし、最上」と結論付けている気がする。
これに真っ向から異論を唱えるわけではないのだが、
タイトル通り「Webプランナー(≒ディレクター≒プロジェクトマネージャー)」である立場から、
ちなみに私は、サーバから開発・運営まですべて自社社員で行っている企業と、
大事なところだけほとんど口頭で説明して、「あとはやっといて」的ないわゆる「丸投げ」でサービス
運営を行っている企業の両方を体験している。それぞれ日本人なら知らない人の方が少ない
名前の通った大手企業である。
■自社開発
○利点
・どんなときでも、プランナー(以下、P)とエンジニア(以下、E)が近くにいること。
分からないところ、納得がいかないことがあればすぐに、徹底的に話し合うことができる。
→多分これが一番重要で、もう一方には決定的に足りない部分。
・時に「戦友」と呼べるような深い仲間意識が芽生える。
関係ないが、PJにずっとかかわっているのにその人が「派遣社員」というだけでどうしても変な一線ができる。不思議なもんだ。
○欠点
・どんなときでも、PとEが近くにいること。
気分が乗らない日も、イライラしている日も。分かっているのに「俺が残っているのにあいつだけ先に帰りやがって」
と思ってしまう日も。
・相手のやっている仕事、能力をすべて理解できているわけではないから誤解が生じる
例;E→P(こんな無茶苦茶なことできるわけないだろ。これだから素人は困る・・・)
例;P→E(こんなこともできないのか。本当かな・・・ こいつが「使えない」だけなんじゃないのか)
→結局これがすべて。極論すればPはEに「頼むから俺の言ったように黙って作ってくれ【考えたのは俺だ】」と思っているし、
EはPに「何で俺がこんなもの作らなきゃいけないんだ【作るのは俺だ】」と思っている。
■丸投げ
○利点
・「開発」する人と「発注」する人が明確に分けられている。そこには何せ「お金」が挟まっているから関係性が揺るがない。
・行き違いで人間関係が変にこじれることがない。そもそも存在しないのだから当然だが。
○欠点
・いかんせん、発注する側が「そのこと」に関して詳しくない場合が多い。「何でできないのか」「これくらい簡単だろ」と
簡単に言い過ぎる。そして、同じ理由で本当にいいものができることが、ほとんど絶望的にない。
しまいには、開発元のEが「デスマーチ」や「うつ病」など深刻な状態に巻き込まれる。
で結局何が言いたかったかというと、開発でも何でも「人間」が行っている以上、そこに「人間関係」という問題が発生
してきて、それはもう本当に不可避で、うまくいくことは稀。
「それも含めてPMが管理しろよ」と言われればそれまでなんですが、それは本当に一筋縄でいくようなことじゃない、超大変なタスク。
で、その「超大変なタスク」を切り離して物事を進めている「丸投げ」スタイルも、それはそれで合理的な方法なんじゃないかな、ということです。
少なくとも、今はそう思っています。
ちなみに私のスペックは
・アイデア豊富で面白いことを考えついて、全部自分で作っちゃえるエンジニア
であることは間違いないでしょうね。そんな人が世の中に何人いるかは別ですが。
開発者としての最高のスペックは ・アイデア豊富で面白いことを考えついて、全部自分で作っちゃえるエンジニア であることは間違いないでしょうね。そんな人が世の中に何人いるか...