2023-11-07

殻を集めている

何時からそうした行為を行うようになったのかは覚えていない。

毎日、卵を食べる。生卵

仕事を辞して、食欲を無くし、外にも出ず、細々とした腕も脚も白磁のように白くなった。

殻を割るのは、不必要ではなかったからだ。

割れ方が多種多様であることに気づいたのはいからだろう。

どれ一つとして同じ割れ方をする卵はない。

それはあらゆる面で似ていた。

割れた卵の殻をテーブルに並べる。一直線に。同じ列に。寸前違わぬように。

今私が行う唯一の仕事

パワハラで心を壊した私における存在意義

心は音もなく壊れた。

割れる卵に、鳴らない音はない。

音を鳴らすであれば、私の心も救うことが出来たのかもしれない。

今はただ殻を並べている。

からっぽの心と共に。

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