結論を言えば味を変えるからだ。
最初に食べた味を求めて客はその店に通うのだ。
食べている途中に味が変わったり料理が変われば客は怒ってしまう。
店主が飽きたからといって違う味を作ったり、違う料理を出してはいけない。
これに尽きる。
コース料理のよくある落とし穴は、店主は皿を替えて気の利いた味を出したつもりでも客はひとつのコースとして食べていることだ。
店主は一日一皿位のペースで出しているから客がコース料理を食べていることを忘れてしまいがちである。
新しい味を思いついてすばらしい一皿を作ったつもりでもそれがコースの流れに合わない味であれば出してはいけない。
どうしても出したいのならそれはコースの一皿ではなくおまけの橋休めにとどめるべきである。
新しい味の挑戦ということはそのコースの味を作るのに飽きたということではないだろうか。
同じ味を作ることに飽きたのなら素直に新しいコースとしてメニューに出すべきなのだ。
無理をして1つのコースに押し込めるのはやめたほうがいい。