だから大自然の都合の良い部分だけを切り取って、それ以外の不都合な部分は切り捨てたがるのはごく普通のこと。
都合のいいことだけを数珠のように紡いで生きていけるわけがないと「大人」は納得しようとするが、脳は納得しない。
そもそも都市は人間に都合の良いことしかない生活スペースだ。その中で生きている時点で「都合の悪いことはイヤ」だと言っている。
誰しも便利さが持つ誘惑からは逃れられない。その誘惑とは脳が求める「合理的な選択肢」だから。脳は非効率なこと、非合理なことを嫌う。つまり、都合の良いことだけを欲しいと思う。
本来の自然や、あるべき姿などは全てタダの趣味でしかない。既に自然の大部分は人間によって失われたのに、その人間が「本来の」などと言い出す可笑しさ。害虫がいない森で十分だ。害虫がいてほしいのなら害虫がいる森を欲すればいい。そのどれもが本来の自然ではない。
理性を持った人間が自然と共生することなど不可能だ。唯一可能なことは、人間が自然を模倣しその模倣された自然と共生するという方法だけ。しかし模倣された時点でそれは自然ではない。そんなこと問題ではなくなるだろうが。