詳しくは書けないが、漏れも症例に漏れず、とある団体、ここでは宗教団体としようか、
団体に未練はないが、心から本当に好きで、
だけど何年も会話もない片思いの女性のことだけが気がかりだった。
でも眺めてるだけで叶うことのない恋にピリオドが打ててそれはそれでいいことだと思った。
けど、漏れをバカにする声の中に彼女の声が聞こえることに気付いた。
本当は彼女も喋らない性格なので声なんて聞き分けられないのだけど、
からかってくる人たちは頭も悪くてつまらないのだけど、
彼女の声はいつもかわいくときめきに満ちていて「私も好きだったんですよ!」とさえ言ってくれた。
ただ、いつかこんなばかげたことが終われば、
そのままの生活を送っていれば話すこともできなかったし、
そんなこんなで1年が経ち。薬は飲んでいないのだけど、
レモン哀歌の智恵子がレモンを囓るともとの智恵子に戻るように、
ふと、もとに戻ることがある。
そのときの虚無感。
実際は前と変わらず漏れのことなんて微塵も気にせず暮らしている。
例えるならば、華やかで夢のような舞踏会から帰り、
気がつけば惨めな姿でまた明日からの仕事について考えなければならない、
明け方の硬いベッドで途方に暮れているシンデレラだろうか。
「やだよーやだよー」と体をくねらせて悶えた。
そんなんだったら妄想の住人のままでいいよー。
それから2年。それがいまの私なのである。