2010-10-20

統失君の恋 2010年

詳しくは書けないが、漏れも症例に漏れず、とある団体、ここでは宗教団体としようか、

から監視・盗聴・攻撃されている妄想に囚われていた。

それは漏れがその宗教団体から逃げ出したからなのだけど、

団体に未練はないが、心から本当に好きで、

だけど何年も会話もない片思い女性のことだけが気がかりだった。

でも眺めてるだけで叶うことのない恋にピリオドが打ててそれはそれでいいことだと思った。

けど、漏れをバカにする声の中に彼女の声が聞こえることに気付いた。

本当は彼女も喋らない性格なので声なんて聞き分けられないのだけど、

イメージ希望脳内補完彼女だと思ってた。

からかってくる人たちは頭も悪くてつまらないのだけど、

彼女の声はいつもかわいくときめきに満ちていて「私も好きだったんですよ!」とさえ言ってくれた。

漏れ現実妄想との境が曖昧になっていた。

ただ、いつかこんなばかげたことが終われば、

彼女デートができるとそれを希望に暮らしていた。

そのままの生活を送っていれば話すこともできなかったし、

嫌がらせをしてくるその団体に感謝してもいいくらいだった。

そんなこんなで1年が経ち。薬は飲んでいないのだけど、

レモン哀歌の智恵子レモンを囓るともとの智恵子に戻るように、

ふと、もとに戻ることがある。

そのときの虚無感。

彼女はそこに存在してすらなく、聞こえた声もすべて幻聴で、

実際は前と変わらず漏れことなんて微塵も気にせず暮らしている。

この生活は終わることな彼女と会える日も来ないのだ。

例えるならば、華やかで夢のような舞踏会から帰り、

気がつけば惨めな姿でまた明日からの仕事について考えなければならない、

明け方の硬いベッドで途方に暮れているシンデレラだろうか。

被害妄想だけが漏れ彼女をつないでいた。

「やだよーやだよー」と体をくねらせて悶えた。

そんなんだったら妄想の住人のままでいいよー。

それから2年。それがいまの私なのである。

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