2010-08-11

大学崩壊」の根本的な原因は、日本大学教育企業要請とかけ離れたアカデミズム偏重だからである。

企業の側も、特に文科系場合サラリーマンを長期雇用で使い回すので、特定の専門知識を持っているよりも素直で順応力の高い「便利屋」を求める。大学で何を学んだかはどうでもよく、「東大卒」の実績よりも「東大入学」の学力が大事なのだ。

だから極端に言えば、入学してからすぐに就職した方が、4年間の所得無駄にならない。入学の段階で目的は達成されるので、学生も真面目に勉強しないし、教師も真面目に教えない。何のために勉強するのか分からず、企業にも評価されない教育を4年間いやいや受ける日本大学社会的な浪費であり、学生堕落させてしまう。

しかし文科省は、いまだにアカデミズム中心で大学教育を考えている。審議会の委員も有名大学の教授ばかりだから、底辺の大学が崩壊している実態を知らないで、国際競争エリート教育の話ばかりしている。

もちろん哲学天文学のように直接役には立たない学問も必要だが、そういう分野は学生全体の1割もない。日本は一流大学でさえ世界の水準からみると遅れているので、研究水準を引き上げることは重要だが、これも全体の1割に満たない。

圧倒的多数の学生が求めているのは、もっと実用的で分かりやすい教育なのである。

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